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嘯
「嘯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「煙管」より 著者:芥川竜之介
った男である。
「ふんまた煙管か。」
河内山は、一座の坊主を、尻眼にかけて、空
嘯《そらうそぶ》いた。
「彫《ほり》と云い、地金《じがね》と云い、見事な物さ。銀....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ま、しばらくの間は気まずい沈黙を守っていなければならなかった。が、やがて俊助は空
嘯《そらうそぶ》いている大井の方へ、ちょいと顎《あご》で相図《あいず》をすると、....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
たと云うので、立ち騒ぐ事が一通りでない。何度目付衆が出て、制しても、すぐまた、海
嘯《つなみ》のように、押し返して来る。そこへ、殿中の混雑もまた、益々甚しくなり出....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
手を組んだまま、悪く光沢《つや》のある頬をにやりとやって、「では男にはの。」と、
嘯《うそぶ》くように問い返しました。その時は思わずぞっとしたと、新蔵が後で話しま....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
、 「隊長、一晩遊べるぜ」 御者は流眄《ながしめ》に紙包みを見遣《みや》りて空
嘯《そらうそぶ》きぬ。 「酒手で馬は動きません」 わずかに五銭六厘を懐《ふとこ....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
れも半分は夢心地さ。 明方からこの風さな。」 「正寅の刻からでござりました、海
嘯のように、どっと一時に吹出しましたに因って存じておりまする。」と源助の言つき、....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
ろう。――武生は昔の府中である。 その年は八月中旬、近江、越前の国境に凄じい山
嘯の洪水があって、いつも敦賀――其処から汽車が通じていた――へ行く順路の、春日野....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ど、夥多しく一面に生えて、次第に数を増すのである。 茸は立衆、いずれも、見徳、
嘯吹、上髭、思い思いの面を被り、括袴、脚絆、腰帯、水衣に包まれ、揃って、笠を被る....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
もうそうなると、気の上った各自が、自分の手足で、茶碗を蹴飛ばす、徳利を踏倒す、海
嘯だ、と喚きましょう。 その立廻りで、何かの拍子にゃ怪我もします、踏切ったくら....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
。 さて只今申上げました不図とした動機というのは、或る年三浦の海岸を襲った大海
嘯なのでございました。それはめったにない位の大きな時化で、一|時は三浦三崎一|帯....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
賞だよ。」 「ぴい、ぷう。」 「さ、祝杯を上げようよ。」 「ぴい、ぷう。」 空
嘯いて、笛を鳴す。 夫人が手招きをした。何が故に、そのうしろに竜女の祠がないの....
「雪霊続記」より 著者:泉鏡花
を噛んだのは、凄く可恐い、且つ力ある犬の声でありました。 ウオオオオ! 虎の
嘯くとよりは、竜の吟ずるがごとき、凄烈悲壮な声であります。 ウオオオオ! 三....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
。) と突立ち上ると、 (はり手というんだ。お行司に聞いてみねえ。) と、空
嘯いて高笑いをしたでしょう。 こけてるから、あッ気に取られて、黙ってきょろきょ....
「活人形」より 著者:泉鏡花
相変り、取乱してはいるけれど、すらっとして中肉中脊、戦慄とするほど美い女さ。と空
嘯いて毛脛の蚊をびしゃりと叩く憎体面。かくてはいよいよかの婦人の身の上思い遣られ....
「茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
、小さな松の皮、古松葉などがはらはらと落ちて来る。そのうちにはどうかすると遠い海
嘯のような大きな音をたてる烈しい松籟が押し寄せることがある。彼等は慌しく吹き飛ば....