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嘲る
「嘲る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嘲るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
。思えば狐《きつね》の塚を踏んで、物に狂うたのも同然じゃな。」と、まるで御自分を
嘲るように、洒落《しゃらく》としてこう仰有《おっしゃ》います。が、全く当時の若殿....
「路上」より 著者:芥川竜之介
換して、それぎり口を噤《つぐ》んでしまった。と、新田もさすがに本気すぎた彼自身を
嘲るごとく、薄笑の唇を歪《ゆが》めて見せたが、すぐに真面目な表情に返ると、三人の....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
がこれにも、「ははあ」と云う気のない返事で応じた事は、勿論である。すると相手は、
嘲るような微笑をちらりと唇頭《しんとう》に浮べながら、今度は静な口ぶりで、わざと....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
て彼等のある者は、笑顔を後《うしろ》へ振り向けながら、足も止めずに素戔嗚の方へ、
嘲るような視線を送りなぞした。
噴き井の水を飲んでいた彼は、幸《さいわい》その....
「三つの宝」より 著者:芥川竜之介
突いて御覧なさい。 王 (尻ごみをしながら)いや、あなたは斬れません。 王女 (
嘲るように)まあ、この胸も突けないのですか? 鉄でも斬れるとおっしゃった癖に! ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
のものじゃが、やいの。) (夥間? 私たちの?) (誰がや、……誰がや、) と
嘲るように二度言って、 (殿たちの。私が言うは近間に居る、大勢の、の、その夥間じ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
を信じていた。しかも彼等は何かの機会に僕を先生と呼びつづけていた。僕はそこに僕を
嘲る何ものかを感じずにはいられなかった。何ものかを?――しかし僕の物質主義は神秘....
「故郷」より 著者:井上紅梅
ながらフランス人にしてナポレオンを知らず、亜米利加人にしてワシントンを知らざるを
嘲る如く冷笑した。 「忘れたの? 出世すると眼の位まで高くなるというが、本当だね....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
火をつけました。 「占いですか? 占いは当分見ないことにしましたよ」 婆さんは
嘲るように、じろりと相手の顔を見ました。 「この頃は折角見て上げても、御礼さえ碌....
「木曽の旅人」より 著者:岡本綺堂
い人を泊めると、警察でやかましゅうございますから。」 「そうですか。」と、旅人は
嘲るように笑いながらうなずいた。その顔がまた何となく薄気味悪かった。 焚火がだ....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
さえて起上りますと、女中の声で、御病気なんだからと、こそこそいうのが聞えました。
嘲るように、 (病人なら病人らしく死んじまえ。治るもんなら治ったら可かろう。何ん....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ござる。お身こそ早う立ち去られい。」 「お身はまだなんにも知らぬか。」と、かれは
嘲るように笑った。「この姫山と白旗山とはわたしの年久しい棲家で、たとえて言わばこ....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
仮装ででも出ますかね、私は大の贔屓です。」 恥ずべし、恥ずべし。……式亭三馬|
嘲る処の、聾桟敷のとんちきを顕わすと、 「路之助はんが、出やはるやろ。」 お絹....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
る。中にも真円い磨硝子のなどは、目金をかけた梟で、この斑入の烏め、と紺絣の単衣を
嘲るように思われる。 立込んだ家|続だから、あっちこち、二階の欄干に、紅い裏が....
「影」より 著者:岡本綺堂
人 東京でつまらない商いをしていましたが、それももう止めてしまって……。(我を
嘲るように。)まあ、与太者かルンペンだと思ってください。 おつや ルンペンはよか....