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噛
「噛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
噛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
たと見え、「これは、あの、大蒜《にんにく》でございます」と説明した。それから指を
噛《か》んでいた子供に「さあ、坊ちゃん、お時宜《じぎ》なさい」と声をかけた。男の....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ひのこ》がばらばらと疎《まば》らに空へ舞い上りました。私は気の違ったように妻へ獅
噛《しが》みつきました。そうしてもう一度|無二無三《むにむさん》に、妻の体を梁の....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
、一匹の斑犬《ぶちいぬ》が牙《きば》をむき出しながら、駈けて来ました。
「これは
噛めという犬だ。この犬を相手にしたが最後、どんな恐しい鬼神《おにがみ》でも、きっ....
「影」より 著者:芥川竜之介
ょうちくとう》の一むらが、………
陳はまっ暗な外の廊下《ろうか》に、乾いた唇を
噛みながら、一層|嫉妬《しっと》深い聞き耳を立てた。それはこの時戸の向うに、さっ....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
》したら、やはり永年の艱難は水泡に帰すのも同然であった。彼はついに枕《まくら》を
噛《か》みながら、彼自身の快癒を祈ると共に、併せて敵《かたき》瀬沼兵衛《せぬまひ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
夜、袈裟《けさ》が帳台《ちょうだい》の外で、燈台の光に背《そむ》きながら、袖を
噛んで物思いに耽っている。
その独白
「あの人は来るのかしら、来な....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
れでさえこのくらいだから、お前なぞが遇《あ》って見ろ。たちまち喉笛《のどぶえ》へ
噛みつかれるぜ。まず早い話が満洲犬《まんしゅうけん》さ。」
お蓮はくすくす笑い....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
打ち落した。が、この恐しい倭将《わしょう》の首は口惜《くや》しそうに牙《きば》を
噛《か》み
噛み、もとの体へ舞い戻ろうとした。この不思議を見た桂月香《けいげつこう....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
、………」
玉蘭は譚の言葉の中《うち》にいつかもう美しい歯にビスケットの一片を
噛《か》みはじめていた。………
* * * * *
僕は三泊の予定通....
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
を照らす日の光があってもうすら寒い。
「眼がさめましたね。」呂翁は、髭《ひげ》を
噛みながら、笑《えみ》を
噛み殺すような顔をして云った。
「ええ」
「夢をみました....
「女」より 著者:芥川竜之介
花粉はその翅に煽《あお》られて、紛々と日の光に舞い上った。が、蜘蛛はどうしても、
噛みついた口を離さなかった。
争闘は短かった。
蜂は間もなく翅が利《き》かな....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
?」
やっと書き上げた電報を店員の一人に渡した後《のち》、洋一は書き損じた紙を
噛み
噛み、店の後《うしろ》にある台所へ抜けて、晴れた日も薄暗い茶の間《ま》へ行っ....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
神父は思わず口をとざした。見ればまっ蒼《さお》になった女は下唇《したくちびる》を
噛んだなり、神父の顔を見つめている。しかもその眼に閃《ひらめ》いているのは神聖な....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
冷かに訪問を謝絶《しゃぜつ》するのです。達雄は黙然《もくねん》と唇《くちびる》を
噛んだまま、ピアノばかり見つめている。妙子は戸の外に佇《たたず》んだなりじっと忍....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
と、急に鬚だらけの顔を近づけて、本間さんの耳もとへ酒臭い口を寄せながら、ほとんど
噛《か》みつきでもしそうな調子で、囁いた。
「もし君が他言《たごん》しないと云う....