噛み合う[語句情報] » 噛み合う

「噛み合う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

噛み合うの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
う)と、あっしァ、たしかに聴いた。キーイッ、カンカンカン、硬い金属が、軋み合い、噛み合うような、鋭い悲鳴だった」 「大方、工場に、鼠が暴れてるんだろう」わしは、....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
の白を一方ならず妬み憎んで、顔さえ合わすと直ぐ咬んだ。ある時、裏の方で烈しい犬の噛み合う声がするので、出て見ると、黒と白とが彼|天狗犬を散々咬んで居た。元来平和....
」より 著者:太宰治
らね。内地の生活の密度が濃いとでもいうのか、または、その密度の濃い生活とぴったり噛み合う歯車が僕たちの頭脳の中にあって、それで気持の弛緩が無く一時間の旅でもあん....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ヤー》』に、ビルマ人は、蛇が諸動物を魅して口へ吸い込む、かつて大きな野猪が、虎と噛み合うていたところを、大蛇がこの伝で呑んだといい、帽蛇に睥まれた蛙は、哀鳴して....
樹蔭雑記」より 著者:宮本百合子
の持って居る力と、人間の与えられた宿命的な(少くとも現今に於ては)本能が、ともに噛み合う事を又更に思わずには居られなかった。 その気持が、今逆に裏返って自分の....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
よいよ判然《はっきり》とその蝶が透通《すきとお》るように見えるのであります。蝶の噛み合う歯の音まで歴々《ありあり》と聞えるのであります。 「ああ、幸内がここへ来....
花園の思想」より 著者:横光利一
りかかった肺臓は、低い街々の陽のあたらぬ屋根裏や塵埃溜や、それともまたは、歯車の噛み合う機械や飲食店の積み重なった器物の中へ、胞子を無数に撒きながら、この丘の花....
星女郎」より 著者:泉鏡花
らい気の利かない話はない。惚れた女の腹の中で、じたばたでんぐり返しを打って騒ぐ、噛み合う、掴み合う、引掻き合う。 この騒ぎが一団の仏掌藷のような悪玉になって、....
宝永噴火」より 著者:岡本かの子
たものは、目を損いながら、火の柱の中に鬼神が珠を掴み上げる腕の形を見たとか、竜が噛み合う姿を見たとか言った。東の夜空に流れて行く煙の雲にも火は映って関東の方に真....
上海」より 著者:横光利一
搏れた羽毛のように飛び廻った。噴霧器から噴き出す霧の中でベルトの線が霞み出した。噛み合う歯車の面前を、隊伍を組んだ糸の大群が疾走した。 参木は高重につれられて....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
る文化を打ち建てながら、その文化の下で、もう浅ましい生活や慾望が血みどろで地上に噛み合う。 それもあろう。 がまた、ここが徳川家の将軍所在地となると共に、大....