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噛み殺す
「噛み殺す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
噛み殺すの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黄粱夢」より 著者:芥川竜之介
うすら寒い。
「眼がさめましたね。」呂翁は、髭《ひげ》を噛みながら、笑《えみ》を
噛み殺すような顔をして云った。
「ええ」
「夢をみましたろう。」
「見ました。」....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
知り、驚いて振り向くに違いない。振り向いて何うするだろう、直ちに余を取って押えて
噛み殺すが一つ、驚いて元自分の這入って来た窓から逃げ出すが一つだ、若し逃げ出すと....
「鼻の表現」より 著者:夢野久作
なんだが、馬鹿馬鹿しい」 という考えでおりますと、不思議に議場の隅に生あくびを
噛み殺す奴が出て来るのであります。御同様に議員さんが立ち上って、 「国家のために....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
十六章にヘロドテ等昔の学者は、蝮子母の腹を破って生まる。これ交会の後雌蝮その雄を
噛み殺す故、その子父の復仇に母の腹を破るのだと信じた。かく蝮は父殺しを悪《にく》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
支配ということだけすらが、この席では禁句でもあるかのように、 「うむ」 と言って
噛み殺すように頷《うなず》いたばかりで、駒井とか能登守とも言うものはありませんで....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
が、なにか、やる。一ツのキッカケをな」 彼はまた、たまりかねて忍び笑い、それを
噛み殺すために幾条もの涙の流れをアゴの下まで長くたらした。 彼はもう言わなくと....
「光は影を」より 著者:岸田国士
つて、帰しやしないわよ」 京野等志は、ぐつとウィスキイを飲み干した。苦が笑いを
噛み殺すためであつた。 いつの間にか、あたりはひつそりとしていた。赤々とともつ....
「採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
を、生きているまま口へ放り込んだ瞬間、針で舌縁を刺されるか、その前に逸早く奥歯で
噛み殺すか、というスリルも共に味わうので、稚鮎を梅酢に泳がせ、梅酢を含んだところ....