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嚏
「嚏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嚏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
ても、決して容易な事ではない。一度この弟子の代りをした中童子《ちゅうどうじ》が、
嚏《くさめ》をした拍子に手がふるえて、鼻を粥《かゆ》の中へ落した話は、当時京都ま....
「葱」より 著者:芥川竜之介
》・ジュヌヴィエヴのごとく、月の光に照らされた瓦屋根を眺めて立っていたが、やがて
嚏《くさめ》を一つすると、窓の障子をばたりとしめて、また元の机の際《きわ》へ横坐....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
毛《みけ》は宜《い》いが、何《ど》うも膝頭《ひざっこ》突く馬で下り坂は危ねえの、
嚏《くしゃみ》ばかりして屁《へ》ベエたれ通しで肉おっぴり出す程だによ、婆ア様に宜....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
、今度は三度のものを時々吐くようになった。咽喉《のど》の所に大きな波をうたして、
嚏《くしゃみ》とも、しゃくりともつかない苦しそうな音をさせる。苦しそうだけれども....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
人といっしょの卓《テーブル》へ坐らせられた。その男が御免《ごめん》なさい、どうも
嚏《くしゃみ》が出てと、手帛《ハンケチ》を鼻へ当てたが、
嚏の音はちっともしなかっ....
「道草」より 著者:夏目漱石
脊筋《せすじ》を上から下へ伝わって行くような感じがあった。その後で烈《はげ》しい
嚏《くさみ》が二つほど出た。傍にいる細君は黙っていた。健三も何もいわなかったが、....
「白髪小僧」より 著者:杉山萠円
り、一ツは夜の国に行く。 瞬《まばた》きすれば星となり、呼吸をすれば風となり、
嚏《くしゃみ》をすれば雷《らい》となり、欠伸《あくび》をすれば雲となる。 男は....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
おらんのがありますがそれは御注意を致しておきます。例えば茶柱が来客を代表したり、
嚏《くさめ》が人の噂《うわさ》を代表したりするようなものであります。これは偶然の....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
参りますか」 と、突然声をかけられて僕はハッと目覚めた。途端にクシーンと大きな
嚏が一つ出た。 ハッキリしない眼をこすりながら、外を見てみると、なんのことだ。....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
《うぬぼ》れ返っているつもりか? 傲慢《ごうまん》な身の程《ほど》知らずめ! 噴
嚏《くしゃみ》一つ、汝の貧しい理性と意志とをもってしては、左右できぬではないか。....
「大使館の始末機関」より 著者:海野十三
。それに愕いて医師は診察鞄をそこに忘れて立ち上ると、部屋附のボーイは、出かかった
嚏を途中で停めて部屋を出た。 「ああ、王老師。どこへ行かれる」 「人払いじゃ」 ....
「空気男」より 著者:海野十三
ばによって、硝子戸を上にあげた。 「ハ、ハッショイ。――」と、そのとき突然大きな
嚏の音がした。 「おやおやおや、誰が噂をしたのだろう。妾しはたしか
嚏をしないのに....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
っぱりだした。 外はなにもかも凍りついている寒さだ。袋を出たとたん丁坊は大きな
嚏を二つ三つ立てつづけにやった。隊員は用意の毛布で、丁坊の身体をつつんでやった。....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
…とこう想像を廻らしたところで、さして不自然ではござるまいがな」 泥棒の
嚏も寒し雪の夜半 「それに相違ござるまい。細かい観察恐れ入りましたな」一閑斎はこ....
「妻」より 著者:神西清
え? ああ……そりゃそうだ、そのとおり。……そう。」 イ※ーヌィチはハンカチに
嚏をして、元気づき、今やっと眼が醒めたように私と妻の顔を見まわした。 「僕のとこ....