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嚔
「嚔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嚔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
れば僕の中の声楽家だよ。」
彼はこう答えるが早いか、途方《とほう》もなく大きい
嚔《くさ》めをした。
五
ニイスにいる彼の妹さんから久しぶ....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
と云う事を、積極的に肯定するだけの、勇気が出ずにいたのである。
下人は、大きな
嚔《くさめ》をして、それから、大儀《たいぎ》そうに立上った。夕冷えのする京都は、....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、のめったきり、捏でも動かぬに困じ果てて、すっぱすっぱ煙草を吹かすやら、お前様、
嚔をするやら、向脛へ集る蚊を踵で揉殺すやら、泥に酔った大鮫のような嘉吉を、浪打際....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、ト乗掛って、ひょいと取る。 鼻の前を、その燈が、暗がりにスーッと上ると、ハッ
嚔、酔漢は、細い箍の嵌った、どんより黄色な魂を、口から抜出されたように、ぽかんと....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
引返して、さあらぬ垣越。百日紅の燃残りを、真向に仰いで、日影を吸うと、出損なった
嚔をウッと吸って、扇子の隙なく袖を圧える。 そのまま、立直って、徐々と、も一度....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
乾いた亀の子を、カラカラと載せたままで、水をゆらゆらと流れて辷った。が、熟として
嚔したもの一つない。 板の一方は細いのである。 そこへ、手を伸ばすと、腹へ抱....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
ある。 これは、生命より可恐い。むかし、悪性の唐瘡を煩ったものが、厠から出て、
嚔をした拍子に、鼻が飛んで、鉢前をちょろちょろと這った、二十三夜講の、前の話を思....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
をするのが、毎晩のようで、暗い垣から「伊作、伊作」「おい、お祖母さん」くしゃんと
嚔をして消える。「畜生め、またうせた。」これに悩まされたためでもあるまい。夜あそ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
る。 が、夜がやや深く、人影の薄くなったこうした時が、技師大得意の節で。今まで
嚔を堪えたように、むずむずと身震いを一つすると、固くなっていた卓子の前から、早く....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
を申して呼んでおります。そこは御大家でも、お商人の難有さで、これがお邸づら……」
嚔の出損った顔をしたが、半間に手を留めて、腸のごとく手拭を手繰り出して、蝦蟇口の....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
でござい。」 それでも寂寞、気のせいか灯も陰気らしく、立ってる土間は暗いから、
嚔を仕損なったような変な目色で弥吉は飛込んだ時とは打って変り、ちと悄気た形で格子....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
て、 「ははははおもしろい、汝! 嫌われて何がおもしろい。畜生、」と自ら嘲って、
嚔を仕損ったように眉を顰め、口をゆがめて頬桁をびっしゃり平手でくらわし、 「様あ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
お店から出て、あの門の柳の下でしょんぼりして、看板の賽ころがね、ぽかん、」 と
嚔の出そうな容体、仰向いてまたすすり、 「と面へ打つかると、目が眩んで、真暗三宝....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
いうものが、何とも言えない。五百羅漢の中にも似たらしい形はない。象の小父さんが、
嚔をしたようで、えぐいよ。 鼻で巻いて、投出されて、怪飛んでその夜は帰った。…....
「活人形」より 著者:泉鏡花
で短銃の音がしたので、真蒼になって遁げて帰ると、朋輩のお方が。そりゃ大方|天狗が
嚔をしたのか、そうでなければ三ツ目入道が屍を放った音だろう。誰某は屁玉を喰って凹....