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嚮に
「嚮に〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
嚮にの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「縮図」より 著者:徳田秋声
に乗ってしまえば、否応なしに行けるのにと思ったりした。 しかし自分の取るべき方
嚮について、親たちに相談しようというはっきりした考えもなかったし、話してみてもお....
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
間へ入って行って、「御免なさい」と、奥を覗きこんだ。そこには蝋燭の灯の炎の靡く方
嚮によって人の運命を占うという老婆が、じめじめした薄暗い部屋に坐りこんでいて、さ....
「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」より 著者:宮本百合子
として扱われていて、今日の現実の光が過去の現実を明晰にして明日の糧とするという意
嚮に立つ面は弱いと思われる。いくつかの文学作品の題材は、過去に求められて成功もし....
「十姉妹」より 著者:山本勝治
せんしなあ、……それに、もう遅いわい!」 だが、その事より何より、父は慎作の意
嚮に気をかねて居ることは確かだった。父にしてみても、不成功だった養蚕をこの鳥で、....
「沈黙の塔」より 著者:森鴎外
って行く。絵画で移り行きのない色を塗ったり、音楽が chromatique の方
嚮に変化を求めるように、文芸は印象を文章で現そうとする。衝動生活に這入って行くの....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
皇制の廃止を主張した。しかし天皇およびその一族の処置の問題は今後の全日本人民の意
嚮によるものとした。ポツダム宣言受諾後最初に行われた四月初旬の総選挙に当って保守....
「世界新秩序の原理」より 著者:西田幾多郎
には家族主義も含まれて居るのである。之と共に逆に、共栄圏と云う如きものに於ては、
嚮に云った如く、指導民族と云うものが選出せられるのではなく、世界的世界形成の原理....
「ドナウ源流行」より 著者:斎藤茂吉
ところを凝視すると、魚が群をなして泳いでいる。あるところでは水草が密生して流の方
嚮に靡いて居り、そこにも魚の列が一定の保護色を保ちながら泳いで居た。魚は For....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
御乳母の子などにて御|睦き故としらる」とあるのは、事実は問わずとも、その思考の方
嚮には間違は無かろうとおもう。諸注のうち、二説の分布状態は次の如くである。中皇命....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
逆については?」 「それとてよくはござらぬな。しかし、大勢というものは、多数の意
嚮に帰するものでござる。天下は一人の天下ではなく、即ち天下の天下でござる、いや、....
「美の国と民芸」より 著者:柳宗悦
らない大事な理由の一つは民族性や国民性が一番率直にこの領域に現れてくるからです。
嚮にも述べた通り、様々な工藝の中で最も吾々の日常生活に深い交りを有つものは民藝で....
「民芸の性質」より 著者:柳宗悦
この要求に答えるものです。 さて、第三の民藝美の特長は、平常性ということです。
嚮にも述べた通り、近世は驚くべき雑多な美を産みました。そうして何か変ったものを求....
「随筆 宮本武蔵」より 著者:吉川英治
過した沢庵は、寛永九年七月に赦されて江戸の土を踏んだ。 紫衣褫奪事件とは、――
嚮に家康は、京都の大徳、妙心両寺に厳命して幕閣の裁可を経ずして猥りに出世し、紫衣....