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囀る
「囀る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
囀るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
であった。が、何処の巣にいて覚えたろう、鵯、駒鳥、あの辺にはよくいる頬白、何でも
囀る……ほうほけきょ、ほけきょ、ほけきょ、明かに鶯の声を鳴いた。目白鳥としては駄....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
で食わないか、酒井の籠で飼ってやろう、隼。)と、それから親鳥の声を真似て、今でも
囀る独逸語だ。 世の中にゃ河野さん、こんな猿を養って、育ててくれる人も有るのに....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
」 一座はしんと静まり返った。 麗かな日は相変らず硝子窓に映じている。小鳥の
囀る声はチヨ/\と長閑である。然し、この狭い一室に閉じ籠った人達は、恰で切離され....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
。 公子 (色やや嶮し)随分、勝手を云う。が、貴女の美しさに免じて許す。歌う鳥が
囀るんだ、雲雀は星を凌ぐ。星は蹴落さない。声が可愛らしいからなんです。(女房に)....
「みさごの鮨」より 著者:泉鏡花
家の座敷があって、廊下が桟のように覗かれる。そのあたりからもみじ葉越しに、駒鳥の
囀るような、芸妓らしい女の声がしたのであったが―― 入交って、歯を染めた、陰気....
「化鳥」より 著者:泉鏡花
に来て、チッチッチて、何かいって聞かせますのッてそういうとね、(詰らない、そりゃ
囀るんです。ものをいうのじゃあなくッて
囀るの、だから何をいうんだか分りますまい)....
「博物誌」より 著者:岸田国士
を頻りにあげていた。その馬の嘶きのような鳴き声は、すべての小鳥たちにとって、もう
囀るのをやめて寝ろと命令する声である。 鴫は、ほどなく、その枯葉の中の隠れ家を....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
びて、館の噴水の水は血に変ったように見え、石造の顔は深紅色になった。小鳥の楽しく
囀る声は高く賑かであった。そして、侯爵閣下の寝室の大きな窓の風雨に曝された窓敷の....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
めておれの眼の前に開け、夏の気もちよい暖かさを感じたころ、木の葉のさやぐ音や鳥の
囀る音を耳にしてそういうことがおれの全部であったころなら、死ぬのが怖くて泣いたに....
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
し達はみんなお天道様の子です! あたし達はみんなお天道様の子です……… 小鳥達の
囀る声が、急にその数を増して行き、あたかも「交響楽」のように交錯する。緑色の耀光....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
寂としたもんですね、どうでしょう、この閑さは……」 頂の松の中では、頻に目白が
囀るのである。 「またこの橿原というんですか、山の裾がすくすく出張って、大きな怪....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
の連中にも我にして我にあらず、泥之泥也。 中には、舌が縺れて口がまわらず、鳥が
囀るような声を出すのもある。藤原経邦の如きに至っては、はじめ快飲を示していたけれ....
「錦紗」より 著者:犬田卯
て働いていると花火のことも着物のことも気にならない。ぽかぽかと暖かい日光、大空に
囀る雲雀、茶株で啼く頬白、ああ、春ももうあといくらもないのだ。菜の花の匂いを送っ....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
やかにちょうど蛋白石のように輝きます。湖水の岸には橄欖の林あり、瑠璃鳥はその枝に
囀る。林の奥に森あり、香り強き樟脳は群れて繁り、繁みの陰には国の人々珍しき祭を執....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
も仏も居られるのである。それからその近所の山には百草もあればまた極楽世界の三宝を
囀る迦陵頻伽鳥も居る。その美しさと言えば
マナサルワ湖の絶景に見惚れて....