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囃
「囃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
囃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
く》れた武夫だった。
「やあ、お爺さんがあんなことをしていらあ。」
武夫はこう
囃《はや》しながら、一散に茶の間へ走って行った。
六
一週間ばかりたった後....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
れもただ、逐いまわしているのではない。「鼻を打たれまい。それ、鼻を打たれまい」と
囃《はや》しながら、逐いまわしているのである。内供は、中童子の手からその木の片を....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
が見える。それが橋の上にいる人間から見ると、滑稽《こっけい》としか思われない。お
囃子《はやし》をのせたり楽隊をのせたりした船が、橋の下を通ると、橋の上では「わあ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
たにしても、決して過言じゃありません。それほど私は賑《にぎやか》な下座《げざ》の
囃《はや》しと桜の釣枝《つりえだ》との世界にいながら、心は全然そう云うものと没交....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ちは、鉄棒の上の丹波先生を仰ぎながら、まるで野球の応援でもする時のように、わっと
囃《はや》し立てながら、拍手をした。
こう云う自分も皆と一しょに、喝采《かっさ....
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
の不興《ふきょう》を蒙《こうむ》る所で完《おわ》った。鳴物は、三味線のない芝居の
囃《はや》しと能の
囃しとを、一つにしたようなものである。
僕は、次の狂言を待つ....
「竜」より 著者:芥川竜之介
れではちと長すぎると申しますので、やがて誰云うとなく鼻蔵人《はなくろうど》と申し
囃《はや》しました。が、しばらく致しますと、それでもまだ長いと申しますので、さて....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
と、「ざまを見ろ」と云うように腹を抱えて笑い出した。と同時にまたある者は、やはり
囃《はや》し立てながらも、以前よりは遥《はるか》に同情のある声援の言葉を与えたり....
「少年」より 著者:芥川竜之介
けやぶ》である。本所七不思議《ほんじょななふしぎ》の一つに当る狸《たぬき》の莫迦
囃子《ばかばやし》と云うものはこの藪の中から聞えるらしい。少くとも保吉は誰に聞い....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
そ、影向して、露にな濡れそ、夜風に堪えよ、と母子の上に袖笠して、遠音に観世ものの
囃子の声を打聞かせたまうらんよ。 健在なれ、御身等、今若、牛若、生立てよ、と窃....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ではなかった。現に僕は夜学の帰りに元町通りを歩きながら、お竹倉の藪の向こうの莫迦
囃しを聞いたのを覚えている。それは石原か横網かにお祭りのあった
囃しだったかもしれ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
牛車でも通るように、かたんかたんと、三崎座の昼芝居の、つけを打つのが合間に聞え、
囃の音がシャラシャラと路地裏の大溝へ響く。…… 裏長屋のかみさんが、三河島の菜....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
敷きもせん、空色の洋服の褄を取った姿さえ、身にかなえば唐めかで、羽衣着たりと持て
囃すを、白襟で襲衣の折から、羅に綾の帯の時、湯上りの白粉に扱帯は何というやらん。....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しか私のことを世にも類なき烈婦……気性も武芸も人並すぐれた女丈夫ででもあるように
囃し立てたらしいのでございます。その事は後で指導役のお爺さんから伺って自分ながら....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
毛』や『金の草鞋』よりも、仮名垣魯文の『西洋道中膝栗毛』や『安愚楽鍋』などが持て
囃されたのである。草双紙の挿絵を例にとって言えば、『金花七変化』の鍋島猫騒動の小....