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囈言
「囈言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
囈言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
とか「苦しい……苦しいからお薬をください」とか「もう熱を計るのはいや」とか時々|
囈言《うわごと》のように言っては、葉子の手にかじりつく貞世の姿はいつ息気《いき》....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
背に負われて、Zwagri《ツワグリ》、九十九江源地《ナブナテイヨ・ラハード》と
囈言《うわごと》を言いながら魔境をでた。....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
閃いて輝いた、アア知らなんだ、知らなんだ、是で見るとアノ咒語は決して狂人の作った
囈言《たわごと》ではない、確かな謎が籠って居るのだ、丸部家が先祖代々から其の当主....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
来はどうも気分が悪いと云って床《とこ》に就いている。そうして、ときどき熱の加減か
囈言《うわごと》のように、「あれ、熊が来た」などと口走るので、家内の者も心配して....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
し得ない間に、かれがどうして逸早くそれを予覚したのであろうか。はじめは気ちがいの
囈言ぐらいに聞きながしていた彼の警告が一々図星にあたっていたのである。人か神か、....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
はそのまま人間の要求でなければならぬのだ。お前はそれをすら知らないで、一体何んの
囈言をいおうとするのだと。然らば私はその人に向って問いたい。それなら何故今でも教....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
いせる者 一つの打撃がお前の頭の調和を破れば、お前は今まで祈った口でたわいもない
囈言を語り、今まで殊勝に組み合わせた手できたならしいことを公衆の前にして見せるか....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
じでしょうか? (87) 恋する者と酒のみは地獄に行くと言う、 根も葉もない
囈言にしかすぎぬ。 恋する者や酒のみが地獄に落ちたら、 天国は人影もなくさびれよ....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
ハイネは静夜の星を仰いで蒼空に於ける金の鋲と言つたが、天文学者はこれを詩人の
囈言として一笑に付するであらうが、星の真相はかへつてこの一句の中に現はれてゐるか....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
れども、一度旦那様をお見上げ申しましてからの、お米の心は私がよく存じております。
囈言にも今度のその何か済まないことやらも、旦那様に対してお恥かしいことのようでも....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
カン水と言って頭のまん中に冷水を注いで冷やしたりしていた。 豊姉は夢中の状態で
囈言を言った。まわりには皆がとり巻いていた。 「山丈のおかみが咽喉をしめる」 ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
をつまらせながらやつと言つた。 「バカ言うのはよしたまえ」 と、京野等志はこの
囈言のように喋りつゞける彼女をさえぎつた。 「なにをくだらないことを言うんだ。君....
「愛の為めに」より 著者:甲賀三郎
間もなく夫の病気、大熱が続いたので、お父さんの事や、私の事や、随分いろいろと
囈言見たいな事を云った。私は心配でおろおろしながらも、それでももしや夫が赤ン坊の....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
て昼夜警戒していたが、彼は一旦快方に赴いたにも拘らず、爾来再び模様が悪くなって、
囈言のように斯んなことを叫び続けた。 「お杉……堪忍して呉れ。俺が悪かった。お杉....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
という女の子があります。女の子はあの晩から発熱して『お化物が鷺娘を踊っている』と
囈言を云いつづけているそうです。家元は家元であの時の踊りが到底百合子の芸ではなか....