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「囚虜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

囚虜の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
異郷」より 著者:寺田寅彦
ただ一塊りの大きな岩山を切り刻んで出来たものである。何となしに鬼ヶ島を思わせた。囚虜を幽閉したという深い井戸のような穴があった。夜にでもなったら古い昔のドイツ戦....
ナポレオンの遺書」より 著者:豊島与志雄
的見地よりすれば、比喩的に云って、人の生活はみな多少とも、セント・ヘレナに於ける囚虜の生活である。そして臨終の間際になって、こういう遺書を書いたとすればどうだろ....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
もの欲しげに見やるのだったが、その時、軍船の舵機が物のみごとに破壊された。新しい囚虜を得た、歓呼の鯨波が、ドッといっせいに挙がる。 おお、魯西亜の軍船アレウー....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
ケを見れば頷かれるが、事実にも衡吉は、不覚なことに老いを忘れ、あの厭わしい情念の囚虜となっているのだった。 その深い皺、褪せた歯齦を見ると、それに命を取る病気....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
意秘伝を停滞なく受けていなければ成らぬのが、意外な支障に引掛って、三月余りを殆ど囚虜の身に均しく過ごしたのであった。 常陸の国、河内郡、阿波村の大杉明神の近く....