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四つ手
「四つ手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四つ手の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
く》ある女郎蜘蛛《じょろうぐも》のように、生きていたい要求から毎日その美しい網を
四つ手に張った。そしてそれに近づきもし得ないでののしり騒ぐ人たちを、自分の生活と....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
ら何卒《どうか》願います、と云うのだが、気の毒でならねえ、あの利かねえ身体で、*
四つ手校注に乗って広袖《どてら》を着て、きっとお前が此家《こゝ》に居ると思って、....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
を買って来まして、お浪の身体へベタ/\と打《ぶ》たれもしない手や何かへも貼付け、
四つ手《で》駕籠《かご》を一挺《いっちょう》頼んで来て、襤褸《ぼろ》の※袍《どて....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
だから、これは出さないほうがまちがっているので、さっそく奉行元勝が切りもち包みを
四つ手文庫から取り出してくれたものでしたから、右門のそばで目をみはりながらきょと....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
一人ある。おとよさんが一人ある」 省作はこうひとり言にいって、竜の髭の玉を三つ
四つ手に採った。手のひらに載せてみて、しみじみとその美しさに見とれている。 「お....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
」 「駕籠を持って来い」 「へえ、畏《かしこ》まりました」 担《かつ》ぎ出した
四つ手駕籠。拾い物をしたように、二人の駕籠屋は大喜び。兵馬は何と思ってか、その駕....
「三つの挿話」より 著者:堀辰雄
の橋と橋との間に、いまを盛りにコスモスが咲きみだれ、そしてその側に誰もいないのに
四つ手網だけがかかっているのを見出した時には、突然、その村でのさまざまな思い出が....
「四十八人目」より 著者:森田草平
上を歩いていた。後から「ほい、ほいッ!」と威勢のいい懸声をしながら、桐油をかけた
四つ手籠が一丁そばを摺り抜けて行く。吉原の情婦にでも逢いに行く嫖客を乗せて行くも....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
らず、すぐ二丁目の辻にあんぽつの辻駕籠があるのにそれもさけ、わざわざ流しの汚ない
四つ手が通るのを待って、それに乗っていったん日本橋まで行き、本石町《ほんこくちょ....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
広小路《ひろこうじ》を田原町《たわらまち》へ出て蛇骨《じゃこつ》長屋。 角に
四つ手がおりて客を待っている。 「駕籠《かご》へ、駕籠へ。ええ旦那《だんな》、駕....
「みやこ鳥」より 著者:佐藤垢石
治の中年頃までは大川から隅田川では寒中に白魚が漁れた。小さい伝馬舟に絹糸ですいた
四つ手網を乗せて行って白魚を掬ったのである。 この白魚を鰻の筏焼きの串にさして....
「我が円朝研究」より 著者:正岡容
》いをしてくれといいだす。そこへ「親子兄弟固めの献酬《さかずき》」のお肴が届く、
四つ手駕籠で。いつかこの旦那によって佐野槌から引かされてきたお久が「昨日に変る今....
「雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
ょう。――辰巳で。へへへへ。吉原の方で。それとも、或いは、お手近で照降町?」 「
四つ手か」 「へい」 「出せ、駕を」 「相棒ッ、乗って下さるとよ」 「急ぐんだぞ....
「水郷異聞」より 著者:田中貢太郎
の下の暗い処からそこここに燈の光が見えている。彼は一眼見てそれは夕方に見えていた
四つ手網を仕掛けている小屋の燈だと思った。 湖の水は灰色に光っていた。省三は飯....