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四周
「四周〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四周の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
の趣味がない、これは自分の石の哲学であるが、実際、神河内渓流もかようなところで、
四周を包囲して峻立する槍ヶ岳、穂高山、以下の高山は奇怪の石の塊というまでで不二山....
「高山の雪」より 著者:小島烏水
。でなくとも、また大きな岩石が雪中に落ちると、石の吸収した熱の発射のために、石の
四周の雪だけが溶けて、そこに狭い溝が出来ることがある。また雪のある地形によっては....
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
抜一万尺前後の標高を示して谷地(河内という称呼はおのずから谷地を暗示している)の
四周に、あるいは尖塔《ピンネークル》となり、あるいは円頂塔《ドーム》となって、簇....
「地球を狙う者」より 著者:海野十三
子によびかけた。 「あのね、とてもへんな恐いことなのよ」 と、彼女は用心ぶかく
四周《あたり》をみまわして言葉を停めた。 「えっ。なにがそんなにへんで恐いのです....
「地球盗難」より 著者:海野十三
光らせ、忍び足で室内に入ってきた。 (何をするつもりだろう) ドクトルは、暫く
四周を見廻していた。 そのうちに、彼は壁際に並んでいる辻川博士の厳重な書類戸棚....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
いわゆる懐旧の情に堪えなかった。それと同時に、今更のように思い浮かんだのは震災十
四周年の当日である。 「あしたは九月一日だ。」 その前日に、その当時の形見とも....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
は、いわゆる矢筈敷と云うのであろう。そして、本館は水松の刈込垣で繞らされ、壁廓の
四周には、様々の動物の形や頭文字を籬状に刈り込んだ、※や糸杉の象徴樹が並んでいた....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
近来盛んになった女人の登山も、ここへはほとんど影を見せず、森林と絶壁と深谷とで、
四周を切り離されているから、山中の室としてのさびが、心ゆくばかり味わわれる。主人....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
空襲警報だ!」 彼は、畦道をすっとんで、舗道の上へおどりあがった。きょろきょろ
四周を見まわしたが、防空壕らしいものはなかった。 「どうしよう?」 彼は途方に....
「空襲警報」より 著者:海野十三
だが本当のところ、帝都は昨夜、遂に敵機の空襲を迎えずにすんだのであった。帝都の
四周を守る防空飛行隊と、高射砲の偉力とは、ついに敵機の侵入を完全に食いとめること....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
んにし民を富ませ、下は仕うる個々の人々の心を統一純粋に帰せしめ、和楽内にあり平和
四周にあり、幸福と安心との殿堂に、住居することができるでござろう! よろしゅうご....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
の箱の上の蒲団を跳退けて代りに置く処だった。 一応初対面の挨拶を済まして部屋の
四周を見廻した。薄暗いランプの蔭に隠れて判然解らなかったが、ランプを置いた小汚な....
「国号の由来」より 著者:喜田貞吉
はけだしその地形から呼ばれた場合が多かるべく、少くも畿内なる大和にあっては、青山
四周の中に広い平野を擁し、その西方なる大阪平野との間に、大和川の吐け口において山....
「味覚馬鹿」より 著者:北大路魯山人
京都は、昔から料理がもっともよく発達していた。ここには長く皇居があった。しかも、
四周山々に囲まれて、料理の料理とすべき海産の新鮮なさかながなかった。ここに与えら....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
が二百五十|間、幅が三十間のほんの小さな岩島に過ぎないのだ。それを白い白い砂浜が
四周に繞っている。私たちはその西側に直面して、今は僅かに五、六町の沖合まで近々と....