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四手
「四手〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四手の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
音寺前の細い路をつたって、堤《どて》の方へ暗いなかを急いで行った。 威勢のいい
四手《よつで》駕籠が次郎左衛門を追い越して飛んで行った。その提灯の灯が七、八間も....
「石狩川」より 著者:本庄陸男
《たいく》では、材木をころがすことも出来ないであろう――ただそれは、全員六十名を
四手に分けて、そして全体としてまとまらねばならぬ仕事のベルトの役であった。それら....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
めた。前二手で柄を持ち定めまた廻すは甚だ困難ゆえ、ついに一の後手(猴は足なく前後
四手あり)で箒を持ち螺旋《ねじ》を合わすに並みならぬ根気を要したが、やっと合せて....
「細木香以」より 著者:森鴎外
してこれを制せようとした。六月中旬の事である。子之助が品川の湊屋にいると、竜池は
四手を飛ばして大野屋に来た。そして子之助に急用があるから来いと言って遣った。 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
方でありました、うちの男衆がこの出水《でみず》で雑魚《ざこ》を捕ると申しまして、
四手《よつで》を下ろしておりますと、そこへこの犬が流れついたのでございます、吃驚....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
た餅を奉るは本邦の聖天|供《ぐ》の油※げ餅に酷似す。その像《かたち》象首一牙で、
四手に瓢と餅と斧と数珠をもち、大腹黄衣で鼠にのる(ジャクソンの『グジャラット民俗....
「怪談覚帳」より 著者:田中貢太郎
きな物があがって、それが星あかりに怪しく見える。ふるえふるえ往って見ると、それは
四手網をあげているので、 「ああ、よかった」 と云うと、今度は
四手網の男が驚い....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
っています。たやすいピアノの曲を出すのです。で、シューマンの謝肉祭を簡単にして、
四手や六手や八手に直すことを、あなたにしてもらえましょうか。」 クリストフは飛....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
の喜びを殺《そ》いでしまうものだった。バザンのシナ旅行やウェーバーの小曲などを、
四手でひかなければならないときにはまだ、たがいに頼り合ってさほど恐れはしなかった....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
クリストフは、自分の七重奏曲が四重奏曲に変えられてるのや、一連の二手用ピアノ曲が
四手へ拙劣に書き直されてるのを、見出してたいへん驚いた。しかも彼へ無断でされてる....
「本困坊・呉清源十番碁観戦記」より 著者:坂口安吾
因坊、温顔、美しい目に微笑をたゝえて、考え、石を下していたが、一時間ほどたち、十
四手目ぐらいから、顔が次第にきびしくしまって、鋭く盤を睨みはじめた。 温顔のこ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
「神武天皇へ位をさずくべき神がこの山の主で、身体が一ツで顔が二ツ、手足四ツの両面
四手という人が位山の主である。彼は雲の波をわけ、天ツ舟にのってこの山に来て神武天....
「金狼」より 著者:久生十蘭
んだ材木がいくつも浮かせてあった。三人のルンペンがその上に乗って針金でこしらえた
四手網のようなもので堀の底を浚っていた。 岸には大きな角材が山のように積んであ....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
れ皆ひとえに師匠が丹誠の賜物とおもっているではないか。 なればこそ、急用あって
四手《よつで》駕籠へ乗り四谷の師匠の家の前を素通りするとき、ほんとうに師匠はしら....
「早耳三次捕物聞書」より 著者:林不忘
音も月も凍《い》てついた深夜の衢《まち》、湯島切通しの坂を掛声もなく上って行く
四手駕籠一梃、見えがくれに後を慕って黒い影が尾《つ》けていた。 蜻蛉の辰が饂飩....