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四方
「四方〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四方の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
の下へたれる――と思うと、子供たちは、一度にわっとわめきながら、おびえたように、
四方へ散った。
今まで死んだようになっていた女が、その時急に、黄いろくたるんだ....
「冬」より 著者:芥川竜之介
と面会室の中にはいることになった。面会室は室と云うものの、精々《せいぜい》二三尺
四方ぐらいだった。のみならず僕のはいったほかにもペンキ塗りの戸の幾つも並んでいる....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
わ》に一人が牛の※《はづな》を取って、往来のまん中へぴたりと車を止めるが早いか、
四方から白刃《しらは》の垣を造って、犇々《ひしひし》とそのまわりを取り囲みますと....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
来るものか。」
「じゃあれは何だ。」
「真鍮だろうさ。」
宗俊は肩をゆすった。
四方《あたり》を憚《はばか》って笑い声を立てなかったのである。
「よし、真鍮なら....
「毛利先生」より 著者:芥川竜之介
ったって云う話です。」
自分たちは丹波先生を囲んで、こんな愚にもつかない事を、
四方からやかましく饒舌《しゃべ》り立てた。ところがそれに釣りこまれたのか、自分た....
「葱」より 著者:芥川竜之介
経験と一しょに、恰《あたか》も火取虫の火に集るごとく、お君さんの小さな胸の中に、
四方八方から群《むらが》って来る。お君さんは思わずその八百屋の前へ足を止めた。そ....
「白」より 著者:芥川竜之介
にも噛《か》みつくかと思うくらい、恐ろしいけんまくを見せているのです。子供たちは
四方《しほう》へ逃げ散りました。中には余り狼狽《ろうばい》したはずみに、路《みち....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
一
高天原《たかまがはら》の国も春になった。
今は
四方《よも》の山々を見渡しても、雪の残っている峰は一つもなかった。牛馬の遊んでい....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
私生児かどうかと言うことである。
武者修業
わたしは従来武者修業とは
四方の剣客と手合せをし、武技を磨くものだと思っていた。が、今になって見ると、実は....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
かりでも、悲惨なこっけいの感じが先にたってしまう。その上荒れはてた周囲の風物が、
四方からこの墓の威厳を害している。一山《いっさん》の蝉《せみ》の声の中に埋《うも....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
砕いてしまえ」 鬼どもは一斉に「はっ」と答えながら、鉄の鞭をとって立ち上ると、
四方八方から二匹の馬を、未練|未釈なく打ちのめしました。鞭はりゅうりゅうと風を切....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
り、夜もすがら涼み歩かんと十時ごろより立ち出で、観音へ参詣して吾妻橋の上へ来り。
四方を眺むれば橋の袂に焼くもろこしの匂い、煎豆の音、氷屋の呼声かえッて熱さを加え....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
のは十月一日で、ファラデーの手帳には次のごとく書いてある。 「三十六節。四インチ
四方の板を十対ずつもつ電池の十組を硫酸、硝酸の混合で電流を起し、次の実験を次の順....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
て、みな彼を師表と仰いでいたが、その連中の先頭に立って、彼はあたりをのしあるき、
四方数マイルにわたって、喧嘩であろうと、娯楽であろうと、どんな場所にでも飛びこむ....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
話していたのでした。 峠を越すと、広い平原になって、そこから城下の方まで、十里
四方の水田がひろがって、田には黄金の稲が一杯に実っていました。 「伊作の足あ、な....