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四更
「四更〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四更の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
は妖怪があって、しばしば人を殺すと伝えられていたが、彼は平気で眠っていると、夜の
四更(午前一時―三時)とおぼしき頃に、黄衣の人が現われて外から呼んだ。 「幼輿、....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
する頃、賊は又もや獄卒にささやいた。 「わたしは表へちょっと出たいのですが……。
四更(午前一時―三時)までには必ず帰ります」 「いけない」と、獄卒もさすがに拒絶....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
夜ふけて立っていて暁の露に霑れた、というので、暁は、原文に鶏鳴露とあるが、鶏鳴(
四更|丑刻)は午前二時から四時迄であり、また万葉に五更露爾(巻十・二二一三)とも....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
に思うがいい」
源十郎の吹きつける煙草の輪に左膳はプッ! と顔をそむけて、
「
四更《しこう》、傾月《けいげつ》に影を踏んで帰る。風流なようだが、露にぬれた。も....
「三国志」より 著者:吉川英治
ろへ、李※の討手が、楊奉の陣へ殺到して来た。すべてが喰い違って、楊奉は度を失い、
四更の頃まで抗戦したが、さんざんに打負かされて、彼はついに夜明けとともに、何処と....
「三国志」より 著者:吉川英治
の傷手」 と侯成は唇をかんで、ひそかに身支度を替え、夜の更けるのを待っていた。
四更の頃、彼は闇にまぎれて、閣裡の厩舎へ這い忍んで行った。遠くからうかがうと、折....
「三国志」より 著者:吉川英治
あっ、何だろう?」 宿直の人々は、びっくりした。真夜半である。燭が白々と、もう
四更に近い頃。 寝殿の帳裡ふかく、突然、孫策の声らしく、つづけさまに絶叫がもれ....
「三国志」より 著者:吉川英治
と、水、陸軍へわたって号令した。 甘寧を先手に、蒋欽、韓当を左右の両翼に、夜の
四更に兵糧をつかい、五更に船陣を押しすすめ、弩弓、石砲を懸連ねて、「いざ、来れ」....
「三国志」より 著者:吉川英治
呼び、 「御身は、手勢二千をひきつれ、江を渡って、烏林の小路に深くかくれ、こよい
四更の頃、曹操が逃げ走ってきたなら、前駆の人数はやりすごし、その半ばを中断して、....
「三国志」より 著者:吉川英治
に、宵闇は一時大混雑を起した。 二更、兵糧をつかう。 三更、兵馬の隊伍成る。
四更、月光を見ながら、枚を銜み、馬は鈴を収め、降る露を浴びながら、粛々と山の隠し....
「三国志」より 著者:吉川英治
ため、燭光ひそやかに待っていた。 すると、姿を変えて探りに行った将は、ようやく
四更の頃、彼の前にもどって来て、額の汗を押し拭いながら復命した。 「蜀陣の旌旗は....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
――それも、ばたとやんで、山門の屯も、庫裡、廻廊の辺も、寝ぎたない兵の鼾になった
四更(夜明け前)の頃だった。 俊基は、ふと眼ざめた。 背中の下で、啄木の啄む....