四谷怪談[語句情報] »
四谷怪談
「四谷怪談〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四谷怪談の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
ちは何かの内職をしなければ立ち行きませんから、みなそれぞれに内職をしていました。
四谷怪談の伊右衛門のように傘を張るのもあれば、花かんざしをこしらえるのもある。刀....
「もの思う葦」より 著者:太宰治
である。生みの親であるが好きになれない。無智。これゆえにたまらない。つぎに私は、
四谷怪談の伊右衛門に同情を持つ者であるということを言わなければならない。まったく....
「惜別」より 著者:太宰治
興行物は午後の十一時頃までやっていて、松島座前にはいつも幟が威勢よくはためいて、
四谷怪談だの皿屋敷だの思わず足をとどめさすほど毒々しい胡粉絵具の絵看板が五、六枚....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
うな、手堅い話し口であった。したがって、一部の人からは旧いとも云われたが、その「
四谷怪談」の如き、円朝とは又別種の凄味を帯びていた。かの「髪結新三」も柳桜が得意....
「アンゴウ」より 著者:坂口安吾
かったとは! その一冊の本に、魔性めく執拗な意志がこもっているではないか。まるで
四谷怪談のあの幽霊の執念に似ている。これを神の意志と見るにしても、そら怖しいまで....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
た、私の現在の立場ぢやアこれを一晩であしらふ手だてがむづかしい、九分九厘後腐れ、
四谷怪談になりかねないところだから、こゝはつらいところだな。そこを敢て辞せないと....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
とは三津五郎にとっては実子にあたり、それも長男で二十一歳、陰惨な役所によく篏まり
四谷怪談の伊右衛門など最も得意のものとしたいわゆるケレンにも達していて身の軽いこ....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
、魔夢のような渇仰をこの一座に抱くようになった。 しかし、ここで奇異は、南北の
四谷怪談であるが、それだけは、かつてこの一座の舞台に上ったためしがなかったのであ....
「お化の面」より 著者:田中貢太郎
其の後綱右衛門は、お化の面を用いて人気を博するつもりで、深川の桜館でそれを冠って
四谷怪談をやったところで、前晩まで三四百人来ていた客が、次の晩には十四五人になり....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
田之助の継承を無理にもさせられた時とは対踵的に、自分からすすんでしたものだった。
四谷怪談のお岩・播州皿屋敷の侍女お菊・「恋闇鵜飼燎」などの怪談物で、菊五郎のした....
「ばけものばなし」より 著者:岸田劉生
手の出る話は『旧約聖書』にもあるが、日本の便所や天井から出る手は正に凄い。例の『
四谷怪談』では御岩様の幽霊は概念的作品であまり凄くない。凄くしようという意図の方....
「怪談劇」より 著者:岡本綺堂
あるが、かの大南北全集を通読すると、真の怪談劇と認むべきものは甚だ少ない。例の「
四谷怪談」でお岩と小平を見せ、「彩入御伽草」で小平次と皿屋敷を見せ、「成田利剣」....
「薄どろどろ」より 著者:尾上梅幸
さい。御承知の通、私共は団蔵さんを頭に、高麗蔵さんや市村(羽左衛門)と東京座で『
四谷怪談』をいたします。これまで祖父の梅壽さんがした時から、亡父の時とも、この四....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
頭は芝居と怪談とで埋められてしまった。明治十七年の十月、市村座で五代目菊五郎が「
四谷怪談」を上演した時、わたしはお化けの芝居というものを見たいがために、一緒に連....
「四谷怪談異説」より 著者:岡本綺堂
四谷怪談といえば何人もおなじみであるが、扨その実録は伝わっていない。四谷左門町に....