四輪[語句情報] »
四輪
「四輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
下半身不随のこの老史学者は、ちょうど傷病兵でも使うような、護謨輪で滑かに走る手働
四輪車の上に載っているからだった。真斎は相当著名な中世史家で、この館の執事を勤め....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
梅の下に立った。成程咲いた、咲いた。青軸また緑萼と呼ばるゝ種類の梅で、花はまだ三
四輪、染めた様に緑な萼から白く膨らみ出た蕾の幾箇を添えて、春まだ浅い此の二月の寒....
「新樹の言葉」より 著者:太宰治
の妹さんから。」百合の花束を差し出した。 「なんですか、それは。」私は、その三、
四輪の白い花を、ぼんやり眺めて、そうして大きいあくびが出た。 「ゆうべ、あなたが....
「フランダースの犬」より 著者:菊池寛
の街道は大へんなにぎわいでした。てくてく歩く人、驢馬に乗る人、あるいは二輪馬車、
四輪馬車を走らす人、いずれも、お祭り気分で浮かれながらぞろぞろ行くのでした。もち....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
とさけばずにはいられないでしょう。けれどもさしあたり神学生も、おなじウェッツラ(
四輪馬車)にのりあわせた旅の道づれも、それをくちびるにのせたものはありませんでし....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
会ではこの請求を評議して、次のような名目で彼に年三千フランを与えることに定めた。
四輪馬車代、駅馬車代、及び教区巡回の費用として、司教へ支給。
その一事は市民の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る様はいかにもみごとだった。
そこに路傍の右手に一軒の宿屋があった。入り口には
四輪の荷車があり、葎《ホップ》の茎の大きな束や、鋤《すき》や、生籬《いけがき》の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
茶苦茶な悪口、そういうのがこの見世物のありさまである。
ギリシャにはテスピスの
四輪馬車が必要であったが、フランスにはヴァデの辻馬車《つじばしゃ》が必要である。....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
キシーとであった。 リーズとわたしが来賓にあいさつをしていると、またがらがらと
四輪馬車が着いて、アーサとクリスチーナとマチアが中から出て来た。すぐそのあとに続....
「青ひげ」より 著者:楠山正雄
らず守りますと、やくそくしました。やがて青ひげは、奥がたにやさしくせっぷんして、
四輪馬車に乗って、旅だって行きました。 二 すると、おくがた....
「株式仲買店々員」より 著者:ドイルアーサー・コナン
とも。――どんな事件なんだい?」 「汽車の中で話すよ。――この事件の依頼人が表の
四輪馬車の中にいるから。すぐいかれるかい?」 「ああ、すぐ」 私はすぐ隣に住ん....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
の旅宿のようなものとして名高かった。そこからは、色蒼ざめた旅人たちが、二輪荷車や
四輪馬車に乗って、他界への非業の旅へと、絶えず出立したのである。もっとも二マイル....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
からないが、私がそこに立ちどまると、たちまち街のむこう端からこちらへ近づいてくる
四輪馬車が眼にとまった。それがすぐそばに近づいたので、見るとスイスの辻馬車で、ち....
「決闘」より 著者:神西清
プでも煮ようというのが、その日のプランであった。五時を廻るとすぐ出発した。先頭の
四輪馬車にはサモイレンコとラエーフスキイが乗り込み、次の半幌馬車は三頭立てで、マ....
「上野」より 著者:永井荷風
午シ綺羅絡繹タリ。数騎銜ヲ駢ベ鞍上ニ相話シテ行ク者ハ洋客ナリ。龍蹄砂ヲ蹴ツテ高蓋
四輪、輾リ去ル者ハ華族ナリ。女児一群、紅紫隊ヲ成ス者ハ歌舞教師ノ女弟子ヲ率ルナリ....