» 四辻

「四辻〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

四辻の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
なものがあった。六年近く兄弟以上の親しさで暮してきたこの男たちとも別れねばならぬ四辻に立つようになった……その淡い無常を感じて、机からぬっくと立ち上りながら西山....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
なぞと云うと、なんだか幽霊でも出そうな、凄い所のようにも思われますが、道の都合で四辻が二つある。それが続いているので、東から来る道がふた筋、西から来る道がふた筋....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
じ》も、同国《おなじくに》の平民である。 さて、局の石段を下りると、広々とした四辻《よつつじ》に立った。 「さあ、何処《どこ》へ行《ゆ》こう。」 何処へでも....
天馬」より 著者:金史良
口に出して呟いた。 白堊建の大きな朝鮮人経営の銀行前を通って、いつの間にか鐘路四辻の方へ近附いて来た。急に辺りは騒々しくなり、人力車は走り自動車は流れ電車はも....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
いて、そんならって虫の様に立廻れば矢張り人間だと仰しゃる。己れっちらの境涯では、四辻に突っ立って、警部が来ると手を挙げたり、娘が通ると尻を横目で睨んだりして、一....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
字に身を開いて、色のうつるよう掌に据えて俯向いた。 隙間もる冷い風。 「ああ、四辻がざわざわする、お葬式が行くんですよ。」 と前掛の片膝、障子へ片手。 「二....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
われたが、若い男が田舎|気質の赫と逆上せた深嵌りで、家も店も潰した果が、女房子を四辻へ打棄って、無理算段の足抜きで、女を東京へ連れて遁げると、旅籠住居の気を換え....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
新吉にとっては最初の巴里祭が来てしまった。町は軒並に旗と紐と提灯で飾られた。道の四辻には楽隊の飾屋台が出来、人々は其のまわりで見付け次第の相手を捉えて踊り狂った....
三甚内」より 著者:国枝史郎
たたか梯子で打たれ、甚内は内心胆を冷したが、また少からず感心もした。 彼は街の四辻へ出た。 「あっ」――と思わず仰天し、甚内は棒のように突っ立ったのである。 ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
る。さてその日も暮れかかってくると、普通のやんまが夥しく集まってくる。それが町の四辻に渦を巻いて飛び交わしている。そのやんまの両性をおんちょ・めんちょといって呼....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
) こうも彼女には思われるのであった。 三人は先へ進んで行った。 やがて、四辻の交叉点へ出た。 それを左の方へ曲がりかけた時、右手の方から一隊の人数が、....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
道路には警官が立ち並んで大声で群集を制している。家々の門には国旗が立てられ、街の四辻の天幕張りからは楽隊の音色が聞こえて来る。 その時知事は露台の上から、その....
剣侠」より 著者:国枝史郎
。……あ、いけない、曲がってしまった」 さよう、その時その一団は、行手にあった四辻を、左の方へ曲がってしまった。 「お兄様、何なのでございますか?」 「わしの....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
踏交る、狭い中を縫って歩行いた間に見たので、ちょうど立ったのは、乾物屋の軒下で、四辻をちょっと入った処だった。辻には――ふかし芋も売るから、その湯気と、烏賊を丸....
魔法の笛」より 著者:楠山正雄
たら、 五千円でも 今すぐあげる。』 市長も議員も いちどにいった。 そこで男は四辻に出ると、 にっこり、まほうの笛、口にあて、 なれた手つきで 歌口しらべ、 ....