四隅[語句情報] » 四隅

「四隅〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

四隅の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「忠義」より 著者:芥川竜之介
やはり不安になって来る。しまいには、畳の縁《へり》の交叉した角《かど》や、天井の四隅《よすみ》までが、丁度｜刃物《はもの》を見つめている時のような切ない神経の緊....
「雛がたり」より 著者:泉鏡花
あの大樹の柳の枝のすらすらと浅翠した下を通ると、樹の根に一枚、緋の毛氈を敷いて、四隅を美しい河原の石で圧えてあった。雛市が立つらしい、が、絵合の貝一つ、誰もおら....
「海異記」より 著者:泉鏡花
と不可ません、ようござんすか。」 と茶碗に堆く装ったのである。 その時、間の四隅を籠めて、真中処に、のッしりと大胡坐でいたが、足を向うざまに突き出すと、膳は....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
たカード箱が投出されてる傍には、赤く焼け爛れた金庫が防火の功名を誇り顔していた。四隅が焦げたカードやルーズリーフや書類が堆かく一山になっていた。 『何時ごろ？』....
「海底都市」より 著者:海野十三
さ》はみるみるうちに増大して、水位《すいい》は刻々《こくこく》あがって来た。床の四隅《よすみ》から水は噴出《ふきだ》すものと見え、その四隅のところは水柱が立って....
「金属人間」より 著者:海野十三
それからいよいよ第二研究室のあとに立った。かれは首をひねって、焼跡《やけあと》の四隅《よすみ》にあたるところをシャベルで掘った。下からは土台石《どだいいし》らし....
「人造人間の秘密」より 著者:海野十三
早くしまえといったわけが、急にはっきりしたのであった。それは、外でもない。図面の四隅に、小さい穴があいているのを発見したのだ。 「わかった。誰か、この図面を、写....
「共軛回転弾」より 著者:海野十三
拡げる。 「あら、白紙だわ」 ルスが愕いた。 博士は無頓着に、その大きな紙の四隅をピンでとめた。それから机の下をさぐっていたが押し釦の一つをぷつんと押した。....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
如く輝かして、宝相華、勝曼華が透間もなく咲きめぐっている。 この柱が、須弥壇の四隅にある、まことに天上の柱である。須弥壇は四座あって、壇上には弥陀、観音、勢至....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
で乗込めさ、と古袴の股立ちを取って、突立上りますのに勢づいて、お産婦を褥のまま、四隅と両方、六人の手で密と舁いて、釣台へ。 お先立ちがその易者殿、御幣を、ト襟....
「琵琶伝」より 著者:泉鏡花
真を祭り、あたりの襖を閉切りたれば、さらでも秋の暮なるに、一室｜森とほのあかるく四隅はようよう暗くなりて、ものの音さえ聞えざるに、火鉢に懸けたる鉄瓶の湯気のみ薄....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
り出でて、戸障子に打衝る音｜凄じく、室の内に躍り込むよと見えし、くるくると舞いて四隅の壁に突当る、出処なければ引返さむとする時、慌しく立ちたるわれに、また道を妨....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
いったもので。 「膝摩り」というのは、丑満頃、人が四人で、床の間なしの八畳座敷の四隅から、各一人ずつ同時に中央へ出て来て、中央で四人出会ったところで、皆がひった....
「妖怪学」より 著者:井上円了
徳ことごとく身に備わらざるなし。かの天地は万物の父母、五行は天地の用にして、四方四隅に配居して、年々季節運気の循環によりて五行生殺の座をしく。ゆえに、その気に従....
「活人形」より 著者:泉鏡花
の外が直ぐ森なので、風通しは宜うございますが、こんな時には、ちとどうも、と座敷の四隅に目を配りぬ。 泰助は思い当る事あれば、なおも聞かんと亭主に向い、「談して....