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「四隣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

四隣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
て僕の乗った自動車は三十|哩の最大速力を緩めると共に一つの角を曲りました。警笛を四隣のビルディングに反響させ乍ら、自動車は憲兵隊本部の衛門の前、数間のところに止....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
さんために、みずからの聡明の光を和らげ、「予として冬、川を渉るがごとく、猶として四隣をおそるるがごとく、儼としてそれ客のごとく、渙として冰のまさに釈けんとするが....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
木戸が再び閉ると一瞬照し出されたゴタ/\したみすぼらしい裏口の光景は消えて、四隣は又元の真の闇になった。 「大丈夫かい」 外から木戸を叩いた男が低声で云っ....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
おいはら》って私に会津を奪ったこと、二本松を攻略し、須賀川を屠《ほふ》り、勝手に四隣を蚕食した廉々《かどかど》を詰問した。勿論これは裏面に於て政宗の敵たる佐竹義....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
信仰の霊を妨げたり。 良人の衰弱は日に著けきに、こは皆おのが一念よりぞと、深更四隣静まりて、天地沈々、病者のために洋燈を廃して行燈にかえたる影暗く、隙間もる風....
競漕」より 著者:久米正雄
ることにしてしまった。十二時過ぎたので彼も床に入った。先刻までかなり騒がしかった四隣の絃歌も絶えて、どこか近く隅田川辺の工場の笛らしいのが響いて来る。思いなしか....
女の膝」より 著者:小山内薫
私は強いて心を落着けて、耳を澄して考えてみると、時は既に真夜半のことであるから、四隣はシーンとしているので、益々物凄い、私は最早苦しさと、恐ろしさとに堪えかねて....
子供の霊」より 著者:岡崎雪声
て、彼地でいう夜伽、東京でいえば通夜であるが、それが或晩のこと初った。冬の事で、四隣は至て静かなのに、鉦の音が淋しく聞える、私は平時も、店で書籍が積んである傍に....
死神」より 著者:岡崎雪声
。しかし何しろ秋の夜の空は拭った様に晴れ渡って、月は天心に皎々と冴えているので、四隣はまるで昼間のように明るい。人の心というものは奇妙で、月を見たり花を見たりす....
白い蝶」より 著者:岡田三郎助
催の日で、空には一面に灰色の雲が覆い拡って、星の光も見えない何となく憂鬱な夕だ、四隣に燈がポツリポツリと見え初めて、人の顔などが、最早明白とは解らず、物の色が凡....
千ヶ寺詣」より 著者:北村四海
黒い老爺の顔を、赤く照すのであった、田舎のことでもあるし、こんな晩なので、宵から四隣もシーンとして、折々浜の方で鳴く鳥の声のみが、空に高く、幽かに聞えてくるので....
妖怪報告」より 著者:井上円了
生に候えば、しばしば文の支離錯雑の段は、御判読を願いたく候。 三更、人定まり、四隣寂として声なし。小鳥、小生の枕辺に来たり、小生に訴えて申すよう、「限界もなき....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
はなぜかというと私が博士と議論の揚句|擲られ掛けたその時に、大いに笑ったその声が四隣を驚かした事もあり、またただ議論をして居る時でも互いに大きな声をして居るもの....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
まで、およそ四カ月間は黒煙四方に遮り、終日日影を見ず。はなはだしきにいたりては、四隣灯をともし、白昼あたかも暗夜のごとし。政教子曰く、この魔霧、なおよく人民を教....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
燭台があり、天・人・造化に対する心を照らしたのであろう。) その地寒村にして、四隣みな農家なり。ロンドンより往復汽車二百十一マイル、馬車十二マイルあり。この間....