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四面楚歌
「四面楚歌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
四面楚歌の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝統と進取」より 著者:九鬼周造
認するものである。私が『「いき」の構造』を書いた頃はマルクス主義全盛の頃で、私は
四面楚歌の感があった。数年経って「外来語所感」を発表したこのごろは、外囲の事情が....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
今の社会部長)が残念がって、読売だったらトコトンまで書いてもらったのに残念だと、
四面楚歌、日本人がみんな悪く云ってる時に(作者にはそう見えるよ)私をなぐさめて、....
「幻聴」より 著者:蘭郁二郎
殺人のニュースが、死屍や腐肉の味覚が、無遠慮にまきちらされているのでございます。
四面楚歌――そんな妙な形容詞が、どうやら当篏りそうでございます。 私はもう疲れ....
「光は影を」より 著者:岸田国士
ている。単なる利害関係か、あるいは、習慣のようなものか? 時によると、この父は、
四面楚歌の声につゝまれる。それにも拘わらず、時によると、かれは、「一番大事なひと....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
い人々の意気、武芸、学問を知っていた。
「そうか」
と、斉興が、又呟いた。
「
四面楚歌《しめんそか》か」
「いいえ、左様ではござりませぬが」
と、将曹が云い....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
ので、劇場側でも頗る面食らった。 さりとて今さら中止するわけにも行かないので、
四面楚歌のうちに一週間ほども興行をつづけていると、警視庁でも輿論の沸騰にかんがみ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
めにもリスボンでつまずいて以来、この不幸なドン・アントニオは急速に没落してゆき、
四面楚歌のなかで貧窮に苦しむ身の上であった。ポルトガルの大衆が自分のために蜂起す....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
しかしその執権御所も、新田勢が三方面から府内へ火をかけ出してからは、まもなく、
四面楚歌の潮の中だった。 あの石ノ庭、局々、およそ柳営の隅々までをいま、足音の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
多の地に過去十年余の業績と人柄を称えられていた九州探題の北条|英時も、たちまち、
四面楚歌の包囲中におかれ、鎌倉滅亡の日からいくばくもない、当年の五月二十五日、館....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
る反感が、顕氏までを敵側に走らせたものであると分っていたが、それにせよ今はどこも
四面楚歌である。腹をすえる時だと思った。 「道は一途。このうえは直義と話がつくか....