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回り回って
「回り回って〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
回り回っての前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
勝重の父親だ。 「その話はわたしも聞きました。」と景蔵が笑う。 「でも、世の中は
回り回っていますね。」と香蔵は言った。「横浜貿易でうんともうけた安兵衛さんが、水....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、世の中は広いようで狭い。君の友だちのからだをわたしが診てあげたなんて、まったく
回り回っているもんですわい。」 こんな話も出た。 飛騨行きのことを勧めてくれ....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
に投じることから生じるのだ、と私は云いたいのだ。こうした根本的な社会的不平等が、
回り回って、受験準備というような児童精神の歪曲の道へと導くのであった。 無論こ....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
の蛋白質《たんぱくしつ》が腐敗していろいろの黴菌《ばいきん》を繁殖させその黴菌は
回り回ってやはりどこかで人間に仇《あだ》をするかもしれない。 自然界の平衡状態....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
あると共に、他方同時にこの常識を変革するものでなければならない。もし理論的労作を
回り回って行きつく処が初めから常識的な結論と一致することが判っているなら、一体理....
「長崎の鐘」より 著者:永井隆
あがる。正常の通路は潰れ、塞がれ、通れないので、窓をのり越え、パイプにつかまり、
回り回って、おやじ救出に走ってゆく。薬局の高窓をのり越えるには人梯子をつくらねば....