回る[語句情報] » 回る

「回る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

回るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
人に対するようなよそよそしさを装って見せたりした。死にかけた蛇《へび》ののたうち回るのを見やる蛇使いのように、葉子は冷ややかにあざ笑いながら、夫人の心の葛藤《か....
或る女」より 著者:有島武郎
腐れた黒板塀《くろいたべい》の立ってる小さな寺の境内《けいだい》を突っ切って裏に回ると、寺の貸し地面にぽっつり立った一|戸建《こだ》ての小家が乳母《うば》の住む....
橡の花」より 著者:梶井基次郎
して話はその娯楽場の驢馬《ろば》の話になりました。それは子供を乗せて柵《さく》を回る驢馬で、よく馴れていて、子供が乗るとひとりで一周して帰って来るのだといいます....
恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
彼が、江戸を立つ時に、親類の一人は、敵《かたき》は越後柏崎の生れゆえ、故郷へ立ち回るかも計りがたい、越後は一入《ひとしお》心を入れて探索せよという、注意を受けて....
仇討三態」より 著者:菊池寛
の夜遅く、兄の宿っている高麗橋の袂の宿屋を尋ねたとき、不幸にも兄が大和から紀州へ回るといい置いて、三日前に出発したことを知った。彼の落胆ははなはだしかった。彼は....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
ん買いな天気は、一日のうちに幾度となくこうした顔のしかめ方をする。そして日が西に回るに従ってこのふきげんは募って行くばかりだ。 寒暑をかまっていられない漁夫た....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
の神秘をあばこうとか、そういうことをしていいものだろうか。この星は他の星の周囲を回るとか、かの星は尻尾を引いて動いていって、しかして何年経つとまた帰ってくるとか....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
小言を言いつつ、大きな箕で倉からずんずん籾を庭に運ぶ。あとから姉がその籾を広げて回る。満蔵は庭の隅から隅まで、藁シブを敷いてその上に蓆を並べる。これに籾を干すの....
火星探険」より 著者:海野十三
。 音楽にあわせて火星人の舞踊はだんだんにぎやかになって行き、音声を発して踊り回る姿はまことに天真らんまんであった。 四少年と火星人の交歓は、ますますうまく....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
に浸るのが常であった。 ところが、ある一日のこと、ふとその炎のなかで、のたうち回る、一匹の鯨を眼に止めたのである。 そこで私は、まったく慌てふためいて、手早....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
。美術クラブ、公会堂、八坂クラブなどで催されますが、忙しい時は、日に三ヵ所も見て回ることがございます。 ずっと見通しますと、今年の最新流行の色はこう、古典味の....
妖怪談」より 著者:井上円了
敷におりますると、多くの狐がより集まってきまして、あちらこちらとかけ回り、くるい回るので、それを見ておりますと、なんとも言えぬほどおもしろく愉快でございました。....
妖怪玄談」より 著者:井上円了
分かりになるなら左に御回りを願います」というときは、すなわち蓋および手ともに左へ回る。そのときまた、「十代なるか二十代なるか、十代なれば右へ、二十代なれば左へ」....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
(チベット絃)というのを弾じてこれを謡と足拍子に合わせる。男女幾十人が数珠の環の回るがごとく歓喜に満ちて踊り巡るのですが、わが国古代の歌垣もこんなものかと思われ....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
の大動乱だ。総辞職を主張するものもあれば、全吏員のゼネラル・ストライキを宣伝して回るものもある。そうかと思うと、賀川市長に辞職勧告に行こうと言うものもある。気の....