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回帰
「回帰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
回帰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
体でもどってきた。ここは、折竹が三年もいる土地である。西雲南の、東経百度の線と北
回帰線のまじわる辺り、そこだけ周囲とかけはなれた動物区をいとなんでいる、いわゆる....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
レキサンドリアで、夏至と冬至の正午における太陽の高度を測定し、それを基にして南北
回帰線間の距離が地球大円周の八三分の一一に当るということを算定した(この値は実際....
「読書法」より 著者:戸坂潤
論とエリート(選良)循環説のファッショ・イデオロギー的効果、ニーチェの超人と永劫
回帰理論のファッショ・イデオロギーへの貢献とその批判、などが之で、ファシズムのイ....
「芝刈り」より 著者:寺田寅彦
らみ合って、母なる土の胸にしがみついている。そうして父なる太陽が赤道を北に越えて
回帰線への旅を急ぐころになると、その帰りを予想する喜びに堪えないように浮き立って....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
、上半分は櫛のようになって、赤銅色に燻ぶったかとおもうと、日本アルプスの山々は、
回帰線でもあるかのように、雲の中を一筋に放射してゆく、谷より立つ白雲と、氷を削っ....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
ない。在るものはただ歴史に於ける――平衡の破壊とその回復とを通じての――「永劫の
回帰」でしかなく、歴史はそのような循環運動に外ならぬ。今この歴史的
回帰に於て常に....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
とに対応して、具体者は客観的な物質にまでは帰着出来ない。概念は物自体の模写にまで
回帰出来なかったのである。
物自体、即ち物質、及びその認識、即ち模写、この問題....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
本能だと云っても好いだろう。ここから常識は自己意識や良心としての共通感覚にまで、
回帰することも出来るのである。――で、こうした一般的な意味に於ける共通感覚が、正....
「山上湖」より 著者:豊島与志雄
は姫鱒の人工養殖所で、孵化した稚魚を湖水に放流すれば、育った親鱒は三年後に、その
回帰性によって、放流された場所へ産卵に戻ってくる。群れをなして戻ってくる。その魚....
「貞操の幅と限界」より 著者:坂口安吾
きった、というようなことは、事件の形は物珍しくても、そういう処女の冒険と貞操への
回帰は到るところで日夜行われているに相違ない。その点は童貞男子諸君も相当に安心し....
「物理的空間の成立まで」より 著者:戸坂潤
線の系列を作ることは出来ない」(同上 S. 246)。無限大の直径を持つ円として
回帰し得るような直線とは論理的野蛮に過ぎぬ。平行線が永久に交らないということを逆....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
十年十一月九日、年に一度は、顧客廻りに出かけるジェソップ氏の伴をして、はじめて北
回帰線を越えカルカッタに上陸した。 印度だ。 頭被、綿布、Maharajah....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
抱かされた思想である。近ごろ『ツァラツストラ』を読み返してみたが、あの難解な永劫
回帰がどうやら自分流に領会されるように思われた。永劫
回帰といえども、輪廻思想に基....
「脱出と回帰」より 著者:中井正一
娯楽が、人間性の回復と追求としての芸術にまで、いかにして連続するのか、この脱出の
回帰が、娯楽のもつ問題となってくるのである。 この生活よりの遊離にあたって、そ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
いという意味を現してはいない。女房が経済的に男に従属する限りは、むしろ男の家庭へ
回帰する正しい感情が内にわるくなるものだと見てよろしいのだ。 まア、そのように....