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回数券
「回数券〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
回数券の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪後」より 著者:梶井基次郎
おおつき》の下宿へ寄るかもしれない。家捜しが手間どったら寄らずに帰る」切り取った
回数券はじかに細君の手へ渡してやりながら、彼は六ヶ敷《むつかし》い顔でそう言った....
「わが町」より 著者:織田作之助
く行くことにした。 「じゃあ、これ持って行きなはれ」 主任はめずらしく、市電の
回数券を二枚ちぎってくれた。 動物園前で市電を降り、食物屋や雑貨屋がごちゃごち....
「うつり香」より 著者:近松秋江
うな街のどよみに耳を塞がれながら、がっかりしたような気持ちになって、柳沢が電車の
回数券に二人分|鋏を入れさせているのを見て、何もかも人まかせにして窓枠に頭を凭し....
「私たちの建設」より 著者:宮本百合子
会費も、今月から三倍になった。省線に乗ったらば、二十銭区間が四十銭になり、三円の
回数券は、九円である。闇市場では、ミカンや汁粉は、とぶようにうれて、やすいものは....
「電車の見えない電車通り」より 著者:宮本百合子
「――東京駅まで……二枚でしょう?」 黒い書類入れを側において、年とった男が
回数券を出してきろうとすると、 「今日は一枚です……のりかえなければ五銭均一です....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
そしたらこの年いっぱいでいくらかまとまりましょう。自由科というのもあって、それは
回数券です。井上英語スクールと同じシステムですね。これにきまって私も大安心です。....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
なども時間で切符制限して居り午前六―九。午後四―七は通勤人でなくては駄目。汽車も
回数券はなくなり、定期も通勤証明です。千葉の往復も大変になります。 この次の手....
「郷愁」より 著者:織田作之助
中では新吉の向い側に乗っていた二人の男が大声で話していた。 「旧券の時に、市電の
回数券を一万冊買うた奴がいるらしい」 「へえ、巧いことを考えよったなア。一冊五円....
「深川の唄」より 著者:永井荷風
老婆は首でも絞められるように、もう金切声《かなきりごえ》になっている。 「おい、
回数券だ、三十回……。」 鳥打帽《とりうちぼう》に双子縞《ふたこじま》の尻端折....