回漕[語句情報] » 回漕

「回漕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

回漕の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
妙な話」より 著者:芥川竜之介
んで、口さえ碌《ろく》に利《き》かなかったものだ。そう云えば一度なぞは、どこかの回漕店《かいそうてん》の看板に、赤帽の画《え》があるのを見たものだから、あいつは....
石狩川」より 著者:本庄陸男
傭《やと》うべき駄馬の背も見つからなかった。従って、当面の必要なもの以外を和船の回漕《かいそう》に委《ゆだ》ねたのも止《や》むを得ない事情であった。唯それらの品....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
ぬがねばすむまいが、――そんな風に申されたので、のッぴきならず、大損を見こしての回漕――いや、もう、長崎屋さん、お互のことだが、他国者《よそもの》はつろうござん....
猫車」より 著者:宮本百合子
北から出まわる北米《きたまい》は一旦すべてこの港に集められ、そこから九州や山陰へ回漕されている。庄平兄弟の母親は、そういう商売を大きくやっている回漕問屋の娘であ....
「揚子江」」より 著者:宮本百合子
屈不撓な事業熱をもっている船長イーベン・ホーレイの多難な生涯と揚子江上の荒々しい回漕事業の盛衰とをこの小説の縦糸にしているのである。 中国の歴史がうつりかわる....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
の香取に大船津《おおふなづ》というところがあるにはありますが、仮りにあの辺に船を回漕せしめたとしても、その船は、どういう船の持主によって、ドコの浜から回航された....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
。いそいで」 と、いいつけた。 それから番頭は何か、店の事務について、荷物の回漕やら船配りなどについて、さっそく、主人に報告的なおしゃべりを始めたが、太郎左....
俗臭」より 著者:織田作之助
いけないと思ったのだ。現にそこを引き払う時、払った金が所持金の大半で、残ったのは回漕店を止める時貰った十円にも足らぬ金だった。二人の口を糊して来たとはいえ、結局....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
出ることにし、一人で口入屋へ出かけていった。 そこで見つけたのは神戸栄町の熊谷回漕店である。この運送屋では幹部は通勤なので、住込んでいるのは若い店員ばかり。だ....