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回避
「回避〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
回避の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「性急な思想」より 著者:石川啄木
く愍《あわ》れむべき性急な心が頭を擡《もた》げて、深く、強く、痛切なるべき考察を
回避し、早く既に、あたかも夫に忠実なる妻、妻に忠実なる夫を笑い、神経の過敏でない....
「弓町より」より 著者:石川啄木
れぬ心には徹底と統一が欠けている。大きくいえば、判断=実行=責任というその責任を
回避する心から判断をごまかしておく状態である。趣味という語は、全人格の感情的傾向....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
中心地を潰滅する如き大威力(三七頁)は、戦争の惨害を極端ならしめて、人類が戦争を
回避するに大きな力となるのみならず、かくの如き大威力の文明は一方、世界の交通状態....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
の一員として、既に世界が最終戰爭時代に入つていることを信じつつも、できればこれが
回避されることを、心から祈つている。しかし同時に、現實の世界の状勢を見るにつけ、....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
している卑怯者だ。冷血動物だ。お前はいつも自分だけがいい子になろうとして、責任を
回避していたからこんなことになったのだ。お前には意志の力がない。男らしい決心がな....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
よる心臓貫通――無論、即死」と医者は断定した。 惨死体を乗せた電車は、そのまま
回避線へひっぱり込まれ、警視庁からは大江山捜査課長一行が到着し、検事局からは雁金....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
らの生命を内観し、この世界の真景を熟視しなければならない。そのとき正直に、一毫も
回避せず、悪は悪として見ることを恐れてはいけない。世界はいかに悪と不調和とに満ち....
「二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
、永遠に両国の緩衝地帯である。太青洋のあるお蔭で、これら二大強国は、永遠に衝突を
回避できるであろう。されば、両国にとって、太青洋の存在こそ、このうえない幸運なる....
「光は影を」より 著者:岸田国士
、僕のこの半分の給料を、諸君の方へまわしてもらうということだけだ」 「ずるい責任
回避だ。経営者の立場でわれわれの要求にこたえろ!」 と、一人がわめいた。 「僕....
「荘子」より 著者:岡本かの子
を争って居る二人は全く違った二人に思えた。このことはすでに荘子を虫食んで来た現実
回避の傾向に一層深く思い沁みた。いやな世の中だ。ただただいやな世の中だ、と思えた....
「山吹」より 著者:泉鏡花
手を取る事です。是非善悪は、さて置いて、それは今、私に決心が着きかねます。卑怯に
回避するのではありません。私は自分の仕事が忙しい。いま分別をしている余裕が、――....
「城」より 著者:カフカフランツ
ちのは、いつもの、いろいろ意味ありげだがまたなんの意味もないような、どんな責任も
回避しているような笑いかたであった。
「ね、怒らないで」と、フリーダがいう。「わ....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
片さえうっちゃってまで、現実に何事か決断しなければならぬといういやな必要から身を
回避するのである。だが、それがどんなふうに彼女に価値があったかは――これこそ彼女....
「正に芸術の試煉期」より 著者:小川未明
徒は、巧に良心をも詐わるであろう。そして、第一義の献身的、教化的精神に立つことを
回避する。それには、困苦と闘争が予想されるからだ。芸術の権威は、彼等によって、す....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
極めて多大であった。これらの関係から君主がその高価なる軍隊を愛惜するために会戦を
回避せんとするは自然である。 また兵力も小さいため、遠大なる距離への侵入作戦は....