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因子
「因子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
因子の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
4
2+2=4ということは真実である。しかし事実上|+《プラス》の間に無数の
因子のあることを認めなければならぬ。すなわちあらゆる問題はこの+のうちに含まれて....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
件も先刻の事件も共に解けるだろう。が、わしの手許には、まだこの問題を解くべき何の
因子も集まっていない。むしろ……そうだ、むしろ君がたの意見を聞いて参考にしたいく....
「予報省告示」より 著者:海野十三
する外ない。 人暦六千五百五十年 世界の混乱は極度に達する。 混乱を生ずる
因子は、何といっても内憂外患の激化にある。すなわち地球外の他の惑星からの侵入者は....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
くあてはまって行く態度なのだ。人間の生活はその欲求の奥底には必ず生長という大事な
因子を持っているのだけれども、社会の習俗は平和――平和というよりも単なる無事に執....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を惑わしていた多くの疑問の中に散在しているんだ。つまり、その一つ一つから共通した
因子が発見され、しかも、それ等をある一点に帰納し綜合し去ることが出来たとしたらど....
「姉川合戦」より 著者:菊池寛
の社稷はもっとつづいたかも知れない。そんな事を考えると、歴史上の事件にはあらゆる
因子のつながりがあるわけだ。....
「帝銀事件を論ず」より 著者:坂口安吾
われわれ文学の徒は、人間をすべて罪の子と見、あらゆる人間が誰しも同じだけ罪の
因子をもつものと見て、その個人に加わる条件に犯罪の必然性を認め、一キクの涙をそそ....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
民族も、階級も、個人もそれぞれこれを持っている。かかるモラールには真に道にかなう
因子が含まれているに相違ないが、人間が人間である限り、道にかなわぬものが混じてい....
「志賀直哉に文学の問題はない」より 著者:坂口安吾
ても、感性的に否定しきれないような状態をつくっている。太宰の悲劇には、そのような
因子もある。 然し、志賀直哉の人間的な貧しさや汚らしさは、「如是我聞」に描かれ....
「“歌笑”文化」より 著者:坂口安吾
る。 それが歌笑の強味であったが、彼の未来にとっては、これが又、決定的な悲観的
因子をなしていたろうと思う。金語楼のハゲ頭は、愛くるしくて、映画の笑いにも適し、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
る理由があってのせいと思われる。こう云えばとて、あなたが兄上同様に三の幻覚を起す
因子があるというわけではない。あなたの心の中に、自分ではそれに気がつかないが、兄....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
無の羊は屠られもしよう。屠られはしても、流されたその血しおにはやがて流転する生の
因子が含まれていよう。 鶴見はまた溜息をついた。そして遠い所を見渡すようにして....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
わないところに、彼のひそかな恋情がひそんでおり、彼の将来の運命に何かの影をなげる
因子が芽を出しかけているともいえるであろう。 「次郎さん、おこったの。」 道江....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
ベコベに、困ったときに役に立てようとすると破滅をもたらすことになる。その決定的な
因子をなしているのですよ。困った時の役に立てようと思って女房を働かせると、女房が....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
。 3 戦闘隊形は点から線に、更に面に進んだ。次に体となること。 の三つが重要な
因子となって進み、ベルリン留学中には全く確信を得たのであった。大正何年か忘れたが....