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「因循姑息〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

因循姑息の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
て以来、勤王の志を懐き、ひそかに同志を糾合していた。しかし元来が親藩であったし、因循姑息の藩士が多かったから、尊王撰夷などに、耳もかそうとはしないので、同志を募....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
大|陥没地へ身を投げるつもりか……」 「そうだ、初志を貫く。だいたいこれが、僕の因循姑息からはじまったことだから、むろん、じぶんが蒔いた種はじぶんで苅るつもりだ....
姉川合戦」より 著者:菊池寛
推して知るべきである。これに比ぶれば、朝倉方は大将自身出馬せず、しかも大将義景の因循姑息の気が、おのずと将士の気持にしみ渡っていただろうから、浅井家の将士ほど真....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
もないことを知った。さすがに、ありし日の武家時代を忘れかねるものは多い。あるいは因循姑息のそしりをまぬかれないまでも、君侯のために一時の安さをぬすもうと謀るもの....
あめんちあ」より 著者:富ノ沢麟太郎
変感じやすかった。……そののち、おれは疑うことを覚えた。憎むことを覚えた。おれは因循姑息に犯された。この虫こそおれの寄生虫であった。そしておれを引込思案の壺の中....
夜の靴」より 著者:横光利一
承諾してから松浦正吉君について和尚に訊ねた。正吉青年は横浜の工場から帰国後、村の因循姑息な風習を見て慨歎し、何とか青年の力で村を溌剌たらしめたいと念じている一人....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
世界の歴史に逆らうもので、之こそ今日の反動家だ、と云わぬばかりである。保守退嬰・因循姑息は進取積極・勇邁果敢・等々(其の他一ダースのそうしたもの)による気魄の前....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
チャカポコ それはさて置きゾロゾロいなさる 閣老参政その他の役人 分別ついたか因循姑息《いんじゅんこそく》も時によります 歌舞伎芝居の上使の壱岐さん 田舎《い....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
私はかすかに覚えている。わが日本橋区の問屋町は、旧慣墨守《きゅうかんぼくしゅ》、因循姑息《いんじゅんこそく》の土地だけに二、三年後にジワジワと水の浸みるようには....
話に聞いた近藤勇」より 著者:三田村鳶魚
いのである。そうすれば何も諸大名から騒がれるようなことはない。幕府の当局があまり因循姑息だから攘夷が出来ないのだ、と考えているものもありました。そういう機会であ....
S夫人への手紙」より 著者:岸田国士
おいても、学校においても、平和的な日本人をつくるという口実のもとに、卑屈、怯懦、因循姑息な日本人をこのうえつくる結果になつたら、まことに、新憲法の精神に添わぬ教....
アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
の旗印を立てて、松竹に肉迫した往年の勇気はない。守勢に立つ怯弱な方針に終始して、因循姑息でその日暮しの間に新進の敵手が現われて、かならず彼等を圧迫するに至るであ....
徳育如何」より 著者:福沢諭吉
そかに案ずるに、君は決してかかる忠告を聴く者に非ず。その忠告者をば内心に軽侮し、因循姑息《いんじゅんこそく》の頑物《がんぶつ》なりとてただ冷笑したるのみのことな....