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因果律
「因果律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
因果律の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野球時代」より 著者:寺田寅彦
今では不確定性を客観的実在の世界へ転籍させた。この考えの根本的な変遷はいわゆる「
因果律」の概念にもまた根本的の変化を要求する。しかしそれは単に原子電子の世界に関....
「黴」より 著者:徳田秋声
説の思構なども話された。それは昔の吉原の地震を材料にしたもので、仏教から得て来た
因果律のような観念が加わっていた。 笹村は厭な顔もせずに、それを聴いていたが、....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
の「よごれ」の問題でもそうである。ましてや、古典的物理学の基礎をなしていた決定的
因果律に根本的な修正が問題になり、統計物理学の領域にも全く新しい進出の曙光が見ら....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
科学以前から科学の具体的内容とは無関係に存在する人間固有の悟性の方則なのである。
因果律といったようなものにしても、その考えは科学の歴史の上でもいろいろの変遷を遂....
「路傍の草」より 著者:寺田寅彦
らとも見られる。しかしまた犯罪心理学者の研究資料にもなれば、科学的認識論の先生が
因果律の講釈をする時の材料にもなりうる。 因果をつなぐかぎの輪はただ一つ欠けて....
「科学論」より 著者:戸坂潤
いうこととは、殆んど全く別なことだ。――例えば今日のブルジョア諸国の物理学者達は
因果律に就いて、機械論的・決定論的な範疇をしか持ち合わさない。因果的必然は、範疇....
「技術の哲学」より 著者:戸坂潤
1〕 参照)。 最後に、実験にとって最も宿命的に結び付いている問題は、今日では
因果律の客観的な意義を無視しようとするイデオロギーだったのである。こうしたイデオ....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
構――はあまり問題にならないから之を省こう。) 自然科学は、この七八年来、遂に
因果律に対する疑問にまで到着した。処が
因果律の問題は、古来、自由乃至自由意志の問....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
従う動揺と困難とに出会ったと云われる*。物質の概念はもはや物質の概念でなくなり、
因果律は物理的世界を支配する安全な法則ではなくなった、と云われる。危機というもの....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
一回が開かれ、一九三六年六月にはコペンハーゲンで第二回総会が開かれた(ここでは、
因果律を回って物理学と生物学乃至心理学との関係が討論された)事情は世界的である。....
「かの女の朝」より 著者:岡本かの子
だ。思索が遠い天心か、地軸にかかっている時もあり、優生学や、死後の問題でもあり、
因果律や自己の運命観にもいつかつながる。喰べ度いものや好い着物についてもいつか考....
「科学と科学の観念」より 著者:戸坂潤
幸を悪魔の仕事として一般化している。因果的説明によることが即ち科学的であるのか。
因果律や説明という問題については多くの論証が今日では必要になる。予見し得るという....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
の問題が直ちにまた一般科学の成立に関する基礎問題に聯関する事は明らかなり。しかし
因果律の解釈や、認識論学者の取扱うごとき問題は、余のここに云為すべき所にあらず。....
「学生と教養」より 著者:倉田百三
の意識そのものは不可解のものになる。リップスもいうように、非決定論の自由は意欲が
因果律に従うことをこばむものである。しかし
因果律は先験的な精神の法則であって、こ....
「カントと現代の科学」より 著者:戸坂潤
。吾々は寧ろある出来事に対して充足な理由をそれに先行する状態の全体な解釈と呼ぶ。
因果律の発生論理的な解釈に対して作用とかいう概念によって
因果律を規定しようとする....