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因由
「因由〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
因由の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「無惨」より 著者:黒岩涙香
れたり此後一年を経て明治二十年の春となり妾も金起も築地に住い難きこと出来たり其|
因由は他ならず彼の金起の兄なる陳施寧|商業の都合にて長崎を引払い東京に来りて築地....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
却って貴いのだ、聖堂の林様はお出入だから殿様にお願い申して、私が才槌で瑕をつけた
因由を記いて戴いて、其の書面を此の仏壇に添えて子孫に譲ろうと思いますから、親方機....
「光と風と夢」より 著者:中島敦
王位請求権保持者の存在に脅されざるを得ず。かかる状態は必然的に其の中に内乱紛争の
因由を蔵するものというべし。 ――J・B・ステェア「サモア地誌」―― 一八八....
「惜別」より 著者:太宰治
の医学救国の思想に深い蹉跌を与え、やがて、その生涯の方針を一変せしめたそもそもの
因由になったのではないか、と私は考えているのである。彼は、明治の御維新は決して蘭....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
下さい、若い衆さんもここへおいでなさいましよ」 快く席を譲ってくれました。その
因由《いわれ》を聞いてみるとお角も、強《し》いてそれを遠慮するような女ではありま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
はお客様の強《た》っての所望《しょもう》で二度まで間の山節をうたい返した上、その
因由《いわれ》などを知っている限り話させられたので、これほど晩《おそ》くなろうと....
「海豹島」より 著者:久生十蘭
学術調査中、この島にて死す。一九一六年三月×日) ニコライ・アーエートの死の
因由は今日もなお不明である。アーエートは西側の海岸の岩隙《チムニイ》の壁に凭れ、....
「スポーツの美的要素」より 著者:中井正一
、注意をする場合、力を要する場合、腹八分目に息を吸って生理的怒責作用を惹起するに
因由するであろう。あらゆるスポーツの緊張の一瞬は、この張りつめたる腹より吐く寂か....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
は、やさしいようでむずかしい。藤吉は考える。 何事もそうだが、すべて人殺しには
因由《いわれ》に意《こころ》が見えるものだ。殺さなければならないほどの強いつよい....
「茶美生活」より 著者:北大路魯山人
人はおろか、五万、三万の眼利きさえ見出し難いであろう。これがみな近来の職業茶人に
因由するといってはおだやかでないが、詮議の終局は、お師匠さんへ責任を持ち込む以外....