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因縁
「因縁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
因縁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
大檀那様《おおだんなさま》の御命日でございます。御命日に敵が打てますのも、何かの
因縁でございましょう。」――喜三郎はこう云って、この喜ばしい話を終った。そんな心....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
犬には死別《しにわか》れをした。所詮《しょせん》犬は飼えないのが、持って生まれた
因縁《いんねん》かも知れない。――そんな事がただ彼女の心へ、絶望的な静かさをのし....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
るよりほかはありますまい。が、ともかくもこの麻利耶《マリヤ》観音には、気味の悪い
因縁《いんねん》があるのだそうです。御退屈でなければ、御話しますが。――」
....
「死後」より 著者:芥川竜之介
頭に鼻を押しつけ、いつかもう静かに寝入っていた。
僕はそちらを向いたまま、説教
因縁除睡鈔《せっきょういんねんじょすいしょう》と言う本を読んでいた。これは和漢|....
「秋山図」より 著者:芥川竜之介
《おうじびん》)や廉州先生《れんしゅうせんせい》(王鑑《おうかん》)も、それぞれ
因縁《いんねん》がおありなのです」
王石谷はまた茶を啜った後《のち》、考深《か....
「藪の中」より 著者:芥川竜之介
がみ》の月毛《つきげ》でございます。その畜生《ちくしょう》に落されるとは、何かの
因縁《いんねん》に違いございません。それは石橋の少し先に、長い端綱《はづな》を引....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
うな不思議があって、どうしても本意が遂げられません。そこでこの頃は仕方がなく何も
因縁事と詮めて、泣く泣くお島婆さんの云いなり次第になっていました。
ところがこ....
「或る女」より 著者:有島武郎
にしびれるような物うさを覚えた。
若者が現われた。(どうしてあの男はそれほどの
因縁《いんねん》もないのに執念《しゅうね》く付きまつわるのだろうと葉子は他人事《....
「星座」より 著者:有島武郎
ばそれで足りるのに、兄のように畏敬《いけい》する星野からの依頼だとはいえ、格別の
因縁《いんねん》もない一人の少女に英語を教えるということ。ある勇みをもって……あ....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
の土偶だった。僕はこのお狸様にも何か恐怖を感じていた。お狸様を祀ることはどういう
因縁によったものか、父や母さえも知らないらしい。しかしいまだに僕の家には薄暗い納....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
、そこには自己がなくしてただ習性があるばかりだから、外界と自己との間には無機的な
因縁があるばかりだから。私は石から、せめては草木なり鳥獣になり進んで行きたいと希....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
くり大きいのが銑さん、小さい方が賢之助に肖ておりましたのも、皆私の命数で、何かの
因縁なんでございましょうから。」 いうことの極めて確かに、心狂える様子もないだ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
れば彼女はT女の守護霊、言わばその霊的指導者で、両者の間柄は切っても切れぬ、堅き
因縁の羈絆で縛られているというのであります。それに就きては本邦並に欧米の名ある霊....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
るか?』 指導霊の性質――指導霊と、その指導を受くる人物とは、通例ある不可分の
因縁関係を以て結ばれている。が、時にその例外がないでもない。或る霊は、人間の指導....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の不幸なアンドレ少佐がそのすぐそばで捕虜になったので、この木は彼の悲劇的な物語と
因縁が深く、アンドレ少佐の木という名でひろく知られていた。ひとびとはこの木を尊敬....