困惑[語句情報] »
困惑
「困惑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
困惑の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俘囚」より 著者:海野十三
もて》をあげた。白い手術帽と、大きいマスクの間から、ギョロとした眼だけが見える。
困惑《こんわく》の目の色がだんだんと憤怒《ふんぬ》の光を帯《お》びてきた。だが、....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
ウムの上は、殺人事件の現場のように、赤インクの海が出来た。 三人の記者たちは、
困惑の絶頂に放り上げられていた。非常に愕くべき出来事の真只中に今自分たちが置かれ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
れとも故意か! こんな偶然て、あり得るだろうか。僕は説明することの出来ないような
困惑に囚われた。そして隣家に住むマスミに気取られぬよう、跫音を忍んで、その隣りの....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
注意深く調べた。前の二枚の標章と合わせてこれで三枚になったのだった。警部の面には
困惑の色がアリアリと現れた。グッとその小布を掌のうちに握りしめると、警部は、車外....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
て人さわがせになるし、殊《こと》に病人を出して家中が混乱しているところへ、新しい
困惑《こんわく》を加えるのはどうかと思ったのである。 そのかわり、彼はこれを宿....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
、心臓を奪われた人の声とは思われない張りのある声で述べたのであった。 袋探偵は
困惑のどん底になげこまれた形であった。 しかし彼は、かねてそのどん底というやつ....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
「いいえ、亀之介さまの事ではございません」 と、家政婦は言下に否定した。検事は
困惑を感じた。すると家政婦がつけ加えた。 「このお邸に出入りしている人達は、何か....
「地球要塞」より 著者:海野十三
の女は、元帥の秘書のマリ子でありますぞ」 「なに、元帥の秘書のマリ子?」 私は
困惑した。 「そうですか、それにちがいありませんか」 「たしかに、マリ子です。マ....
「英本土上陸作戦の前夜」より 著者:海野十三
た厳しい監獄の大鉄門のうえに、しばし釘づけになった。 そのうちに、彼の表情に、
困惑の色が浮んできた。小首をかしげると、呻くようなこえで、 「……わからない。何....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
帽子が似合いて候――」 とすっくり立った。 が、これは雪の朝、吉原を落武者の
困惑を繰返したものではない。一人の友達の、かつて、深山越の峠の茶屋で、凄じき迅雷....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
う大きな複雑な変調に導きました。それで私はすっかりあわててしまいました。私はその
困惑の中にかなり長いこと苦しみました。それは、私の本当に行こうと欲している処と、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
た。したがって、泥棒はまったくやすやすと侵入できるとしても、出るときにはいささか
困惑するにちがいない。おそらくこの思いつきは大工のヨースト・ヴァン・ホーテンが鰻....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
支那人が降り口に押し合っていて年寄りの私などなかなか降りることが出来そうもない。
困惑していると、メンメンチョ、こう言って車掌が乗り手を止めて私を降ろしてくれるの....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
ダイヤの失くなっているのに気がついて、騒ぎ出した。 急にホール内がざわめいて、
困惑したような青い顔の支配人は、銀髪の婦人を別室に伴って行った。 何事だろう?....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
は安定を欠き、一方大量の日系官吏の進出と経済統制による日本人の専断が、民族協和を
困惑する形となり、統制経済による不安と相俟って民心が逐次不安となって来た。この影....