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固まる
「固まる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
固まるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鰊漁場」より 著者:島木健作
をふりかえって見て、「どうだ、」といった。 「いつか言ったべ。貧乏人はみんなして
固まるほかに手はねえってことを。それはここんとこを言うんだ。」それから彼はひとり....
「火星探険」より 著者:海野十三
、僕にも思いあたることがあるよ、ときによると、僕のたましいはピンポンの球ぐらいに
固まることがあるよ」 と、張が、真面目な顔付で膝をのりだした。 「そうだろう。....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
たわけだ。天気が好ければ地面は益々固くなる。そして雨が降れば降ったで「雨降って地
固まる」だろう。之が大衆の不安・今日の社会不安・の形なのである。 大衆のこの不....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
居ないんですもの。」 と今更ながら畚を覗くと、冷い磯の香がして、ざらざらと隅に
固まるものあり、方丈記に曰く、ごうなは小さき貝を好む。 八 先生....
「郊外」より 著者:国木田独歩
は七|分がた後ろの音に奪われているのだから。 そこでまたこうも思った、何もそう
固まるには及ばない、気になるならなるで、ちょっと見て烏か狐か盗賊か鬼か蛇かもしく....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
。こんな風にして彼は少年時代と青年時代を送ったが、やがて、すっかり成人して体力が
固まると、自分から進んで泥棒に出かけたのだ。この野蛮人はジュネーヴの町で日雇い稼....
「傍人の言」より 著者:豊島与志雄
雄の「青年」などは、素朴な思念に救われているが、あれがもっと年をとり、もっと凝り
固まると――云いかえれば、詩が観念になると、案外、象皮病にかかりそうな恐れがない....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
らなかったかといえば、土地が湿っていたからである。砲兵の運動のために、土地が少し
固まるのを待たなければならなかった。
ナポレオンはもとより砲兵の将校であって、....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
の教訓を得て、もはや数千円の損失などは問題ではなく、これで我が中村屋も雨降って地
固まる、いよいよここに基礎が定まりました。 中村屋は今や年とともに外観内容よう....
「役者の一生」より 著者:折口信夫
は立役の方でも、源之助に影響を与えているが、女形の方の影響を殊に多く与えた。芸の
固まる時分に一番菊五郎の相手もしたし、芸に触れた為である。処で、菊五郎の方は、女....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
ドノバンの性格は一変した。かれは富士男の命令は忠実にまもった、雨が降って地が
固まるように、少年連盟は以前に倍した一|致協力ですすんだ、四五日がすぎた、だが海....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
千人近くのものが帰りもしないで、ジリジリしていた。 「立ち止っちゃいかん。」 「
固まると、いかん。」 「こら、こら!」 警官があちこちで同じことを繰りかえして....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
は、猿が木から木へと木の実を捜して飛んで行くように、金儲けから金儲けへと慾一方で
固まるのを欲しなかった。 明治七、八年頃、浅草の寺内が公園となって改修された。....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
はしませんが――内皮を外にし毛のついてある方を内にしてうまく縫付けた。それが干し
固まると板のように張り切ってしまうから、実に堅固な荷造りが出来るです。その荷造り....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
が歌舞伎の本城を奪いしとて、好劇家は驚異の眼をみはり、書生芝居の地盤もここに漸く
固まる。川上の人気盛んなり。 ○七月二十日、二代目中村雀右衛門、大阪に死す、五十....