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「固む〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

固むの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
運命」より 著者:幸田露伴
臣口々に、疾く出すべしという。宦者忽にして一の紅なる篋を舁き来りぬ。視れば四囲は固むるに鉄を以てし、二|鎖も亦鉄を灌ぎありて開くべくも無し。帝これを見て大に慟き....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
と痛そうじゃな。その態は何のことぞ。それにても一朝事ある時は、上将軍家の御旗本を固むる公儀御自慢の八万騎と申されるかッ。笑止者めがッ。慈悲をかけてつかわすべき筈....
小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
たる定遠鎮遠相連んで中軍を固め、経遠至遠広甲済遠は左翼、来遠靖遠超勇揚威は右翼を固む。西に当たってさらに煙の見ゆるは、平遠広丙鎮東鎮南及び六隻の水雷艇なり。 ....
白くれない」より 著者:夢野久作
の如き指をさしのべて筧の水を弄ぶうちに、消ゆるが如く方丈に入り、内側より扉をさし固むる風情なり。 われ余りの事に呆れ果て、茫然と佇みて在りしが、物好きの心俄か....
十二支考」より 著者:南方熊楠
を逆さに三度繰り返すべしと。また一法は、戌亥子丑寅と五支の名を唱えつつ五指を折り固むるのだと。ただしその法幾度行うても寸効なかったと自白した。上に孫引きした『博....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
にもかかわらず、近代主義の小団をなしてる人々は、永続的なものを築くには涙と血とで固むるのほかはないと知って、苦難を忍従し晴れやかな額《ひたい》をし、未来に通ずる....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
言されたる正義は他を動揺させる。ゆえに一度正義が確認さるるや、こんどは国家を再び固むるを要する。自由が確保さるるや、こんどは権力を考えなければならない。 その....
自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
第二次原因の分析を試むるも有益なり。しかれども統計に信頼するためには統計の基礎を固むる必要あるべし。普通公算論の適用さるる簡単なる場合においても、場合の数が小な....
「日本民族」とは何ぞや」より 著者:喜田貞吉
の立場から、これらの事実の由って起った経過を研究し、これに依って国民思想の根柢を固むるの資料を江湖に提供することを以て、目下における必要なる事業と思惟し、これを....