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「固める〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

固めるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
ほどの奮発を頼みます……えゝと、財産のほうの処分はわたしと田中さんとで間違いなく固めるし、愛子さんと貞世さんのお世話は、五十川《いそがわ》さん、あなたにお願いし....
青木の出京」より 著者:菊池寛
、妙にこんがらがっていた。そして、その二つともが、彼が青木の罪を負うという決心を固めるのに役だった。 彼は、主人の部屋を出た時と同じように得々とした心持で、 ....
疑問の金塊」より 著者:海野十三
じゃ、犯人に気付かれますよ」と私は追縋って云った。 「さア早く、この建物の出口を固めるのです」 「よオし。おれは飛びこむ」 「だが、この屍体をどうする?」 刑....
黒い地帯」より 著者:佐左木俊郎
に出た。職工が煉瓦の型に固めあげた粘土を、崩れないように陽で乾しながら、箆で敲き固めるのだった。煉瓦を縛る縄を綯って売る者もあった。馬を持っている男達は駄賃に出....
火星探険」より 著者:海野十三
「占いは、一種のたましいの働きなんだ。だからたましいを小さいピンポンの球のように固めることができる人は占いができる人だとさ。張君は、それができるんだろう」 「そ....
人造人間の秘密」より 著者:海野十三
つくるが、この地下工場では、私の知らない灰色のセメントのような妙な粉末を熔かして固めるのであった。 「どうだね、セン。君の気に入るように、製造工程は進んでいるか....
地球要塞」より 著者:海野十三
。われわれは直ちに、最善の行動を起さなければならないのである。私は拳《こぶし》を固めると、自分の頭に、自らはげしい一撃二撃三撃を加えた。 私は残念ではあったが....
怪塔王」より 著者:海野十三
にしておけばたいへん容積が小さくなります。たとえば部屋一杯のガスも、これを冷して固めると、耳かき一ぱいぐらいの粉末になります。ですから、相当の分量を積んでもたい....
めでたき風景」より 著者:小出楢重
身分にでもなったとしたら、私は直ちにパンタロンは紙屑屋へ売飛ばして衣冠束帯で身を固めるであろう。 先ず花の下には花の下の味があり、鉄管の中にはまた格別の世界が....
光は影を」より 著者:岸田国士
、機械を休める所がないくらいの繁昌ぶりで、経営次第では、中工業としての基礎を早晩固めることができそうに思われた。第一に腰を据えてかゝらねばならぬ対労組の問題も、....
」より 著者:岡本綺堂
陣の詰所を土地の庄屋または大百姓の家に置き、当番の組々がひそかにめいめいの持場を固めることになっていた。官命とはいいながら、何分にも殺生の仕事であるから、寺院を....
」より 著者:カフカフランツ
るのだった。そして、フリーダもKの同意によって元気づけられたかのように、こぶしを固めると、そのこぶしでドアをたたいて、叫んだ。 「あたし、測量技師さんのところに....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
岸の人家まで迷惑して害となります。この場合には、水を排かせるなり、両岸を高く築き固めるなりして害を除きます。 またこれと反対に隅田川をいよいよ隅田川らしい好風....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
蜈蚣見たいにそろえた細長の独木舟が幾隻か波に揺られて、早くも飛び込むと持場持場を固めるオロチョンギリヤークの青年たちも勇ましかった。彼らは鼠色の軽装にばんばらの....
特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
世間がこれを廃してもやはりもとの杢阿弥である。彼らは世間の圧迫に反抗すべく結束を固めるの必要があるであろう。したがってその結束を解いでは、一時悲境に陥る場合がな....