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固化
「固化〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
固化の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
して待機を命ずる」 二人の戦隊長はスクリーンの中で、息を引取る魚のような表情を
固化した。ミルキ閣下はああとうめいて、長椅子の上に堂と身をなげかけた。 アリシ....
「振動魔」より 著者:海野十三
場合にかぎり、どんな重症の患者も喜んで入院を許したばかりではなく、博士独得の病巣
固化法によって、かなり高率の回復成績をあげていたのだった。それは世間によく知られ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
息づまるような三人の力の入れ方もいっそうせまって、今はもう、部屋の空気そのものが
固化したよう……緊張の爆発点。 と! そのときでした。 「オヤッ!」 と、愚....
「科学論」より 著者:戸坂潤
に関する古典的な国であった。イギリス工業の発達と共に、資本主義は農業においても鞏
固化された。粗笨な経営は漸次集約的形態に代えられた。改良された耕作方法、農業へ機....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
。香気のために私は毎朝オウ・ド・コロンを飲んで、頭髪にはゴミナ・アルジェンテンの
固化油を使用した。妻は英吉利直輸入の婦人煙草「|仕合せな夢」を喫かしつづけた。そ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
れて見えるのは、いうまでもなくひた押しに来る青眼陣の剣林だ。
寂として、物みな
固化《こか》したよう。
「逃げるくふうを……ね! ごしょうですから逃げるくふうを....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
乃は立ったまま、眼をまんまるにして、壺の箱を見おろしている。
一瞬二瞬、空気は
固化して、ふたりとも石像になったよう――身うごきもしません。イヤ、できません。巨....
「魔像」より 著者:林不忘
壁一つ塗らせても解る。心底のさっぱりした者の塗ったのは、さあッと乾いて、しっくり
固化《かたま》っていて、まるっきり上りが違う。恐ろしいものだ――と、いうのは、こ....
「巷説享保図絵」より 著者:林不忘
てて、茶器が落ち散った。男は、ぐっと眼をみはらせて、あっと口をあけた。そのまま、
固化して見えた。
すっぱいような、ヒステリカルなお高の笑いが、びっくりしている....
「雪」より 著者:中谷宇吉郎
るが、雪はこの昇華作用によって水蒸気が直接に氷になったものである。即ち昇華による
固化という現象によって空気中に生じた氷が地上へ降りて来たものがわれわれのいわゆる....