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固形
「固形〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
固形の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高山の雪」より 著者:小島烏水
現象がないのは、山頂の積雪は、それ自身の圧力で表面は融解し、時々の雨や雲霧で氷に
固形し、これらがそれ自からの重量のために凝《こお》れる河(即ち氷河)または短かい....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
星になったのである。地球の心核はしかし灼熱状態を持続しながら第三種の粒子から成る
固形の殻で包まれている。この殻の中には気層と水層とがありその上を固体の地殻が覆っ....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
きあがった。手さぐりで、からだを探ってみると雑嚢がある。なかには、ライターもあり
固形アルコールもある。――ああ、この、短い鉛筆でくわしくは書けない。 そこで、....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
しへこんで、そこへ腰をおろすのに具合のいいようになっている。が、おまるにしては、
固形物の流れるような穴はない。また立派な西洋風呂のあるのに、こんなもので腰湯を使....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
許していただきたい。 Y君、私は自分を Moralist だと信じている。私は
固形体の状態から灼熱、鎔解して流動体となり、さらに光を発するほどの精醇な Mor....
「火星兵団」より 著者:海野十三
「そうだ。このかぶとの横に、耳のような筒が左右にぶらさがっているが、この中には
固形酸素がはいっているのだ。その上にある弁を動かせば、かぶとの中に出てくる酸素の....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
の中からひっぱりだして、キンチャコフにも分けてやった。戸棚の中には熱糧食だとか、
固形ウィスキーなども入っていた。なにしろ予め六人分の食糧が収めてあったので、食糧....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
学の所謂体系だというなら、そういう哲学体系はもはやそれ以上発展の余地のない死んだ
固形物でしかないわけで、従って本当は少しの科学性も持てない筈である。だが古来哲学....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
もあり、苦心してたくわえて置いた調味料もある。 それを、この闖入者は無残にも、
固形のものは悉《ことごと》く食い、液体のものは悉く飲むだけの芸当しか知らないらし....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
平線は薔薇色に明けかかって、猛烈な速力で陽が昇るものだから、うしろに、まだ闇黒の
固形が山のように聳えているうちに、全海面が火山口のように燃えて、雲は紫に色どられ....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
冷徹でした。岩石のように堅固でした。そして、コンクリイトのように細かくざらざらに
固形化している表面が、「23」にも明かに感じられたといいますから、彼の興味は一時....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
け釘があるばかりで、ほかには何物もなかった。さらに壁を叩いてみたが、それは確かに
固形体で、外は建物の壁になっていた。 これでまず家じゅうの見分を終わって、わた....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
らず、珍宝も貨財もすべてあらゆる物、昔の形と少しも異る処なく、実に美わしき一種の
固形体と化して残りおるなり、されど余はそれらの物を眺めおるうちに、真に名状すべか....
「わが工夫せるオジヤ」より 著者:坂口安吾
なった。スキヤキにしても、肉は人に食ってもらって、ゴハンに汁だけかけて食う。肉の
固形したものを自然に欲しくなくなったのである。魚肉もめったに食べない。稀にウナギ....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
げてゆく。セメントの床を踏む靴音までも畏れて謹んでそうして叩頭してゆく。 あの
固形体のパルプが、ねとねとの綿になり、乳になり、水に濾され、篩われてゆく次から次....