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固形物
「固形物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
固形物の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
―地球の歴史はすでにこの変化を予想しつつある――活溌《かっぱつ》なる酸素が地上の
固形物と抱合《ほうごう》してしだいに減却するならば、炭素が植物に吸収せられて黒い....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
良犬のように尋ねて、只食う為《た》めに、何よりもかによりも私の胃の腑《ふ》は何か
固形物を欲しがっているのだ。ああどんなにしても私は食わなければならない。街中が美....
「伸子」より 著者:宮本百合子
ただ、と、伸子は思った。優しさなどというものも、彼にすれば、愛と同じに消耗しない
固形物のような存在に思われるのであろうか。 伸子は着物を着換え、病院へゆく支度....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
こに一つ不思議な事があるのだ。
それは他事でもない、その脳髄と自称する蛋白質の
固形物自身が、古往今来、人体の中でドンナ役割をつとめているのか、何の役に立ってい....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
しへこんで、そこへ腰をおろすのに具合のいいようになっている。が、おまるにしては、
固形物の流れるような穴はない。また立派な西洋風呂のあるのに、こんなもので腰湯を使....
「政治と作家の現実」より 著者:宮本百合子
することはできない。きっと型も出来、紋切り型の感情描写もあり、敵が貼り紙をつけた
固形物のように扱われた場合もあったろう。しかしながら、どうしても無視できない一つ....
「現代哲学講話」より 著者:戸坂潤
学の所謂体系だというなら、そういう哲学体系はもはやそれ以上発展の余地のない死んだ
固形物でしかないわけで、従って本当は少しの科学性も持てない筈である。だが古来哲学....
「百姓弥之助の話」より 著者:中里介山
ろしいのでは無いか、例えば下肥《しもごえ》の如きも、これを相当科学化して乾燥した
固形物とするか、或は粉未として、感じにも取扱いにも効能にも相当の増進率を持たせる....
「放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
次から次へ野良犬のように尋ねて……只食う為に、何よりもかによりも私の胃の腑は何か
固形物を慾しがっていた。 あゝどんなにしても食わなければならない。街中が美味そ....
「黒い手帳」より 著者:久生十蘭
数字と公式が落書してあった。床の上で自在に用便するとみえ、こんもりと盛りあがった
固形物が紙屑のあいだに隠見していた。 長椅子の上には、極めて痩身の四十歳位と思....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
り起れるなり。「中川君、僕はモー懲々《こりごり》したからその後は一切《いっさい》
固形物を食わん。毎日ソップを配達させてソップと牛乳ばかり沢山飲んでいるがなかなか....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
蛋白質は熱に逢うと凝結《ぎょうけつ》するから流動物と混ぜて熱を加えると流動物中の
固形物や汚塵《おじん》を引包んで凝結する。だからスープや珈琲やゼリーのアクを取っ....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
チャドキといえば午後三時もしくは午前十時頃を意味していた。茶とはいうけれども必ず
固形物を伴ない、それも漬物の塩気ぐらいでは、働く人々は承知しなかった。オケヂャも....