固持[語句情報] »
固持
「固持〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
固持の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「アッシャー家の崩壊」より 著者:佐々木直次郎
新奇なため(他の人々(6)はそう考えている)よりも、彼が執拗《しつよう》にそれを
固持したためである。その意見というのは大体において、すべての植物が知覚力を有する....
「私の母」より 著者:堺利彦
なるらん」などという生ぬるい言葉はいさぎよくないと言って、あくまで「なりけり」を
固持していた。父と母とがこの話をしあった時、二人の意見は全く一致して深く作者の意....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
種は安易な生活に慣れて社会制度は全く固定し、インドの如きは今なお四千年前の制度を
固持して政治的に無力となり、少数の英人の支配に屈伏せざるを得ない状態となった。 ....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
れをさせなかった。それをしたら、即座に彼女の魅力の膝下に踏まえられて、せっかく、
固持して来た覚悟を苦もなく渫って行かれそうな予感が彼を警戒さしたのであろう。彼の....
「シベリヤに近く」より 著者:里村欣三
卒や苦力頭が声高く罵り怒鳴り、威嚇する銃剣や鞭に対して、執拗な沈黙と拒否の態度を
固持していた。馬は思い思いに引具のついたままに、輜重車を青草のなかに引きずり込ん....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
会すら見出し得ない程、それ程この虚偽は組織的であり、複雑であり、従って彼等は之を
固持することかくも執拗なのである。何が彼等をかくも執拗にさせたか。彼等が支持し、....
「イデオロギー概論」より 著者:戸坂潤
前に述べた処に従えば、不決定論者に対する充分な解答ではあり得ない。だから彼はその
固持しようとする因果律を高々一種の発見的原理に過ぎないものにまで譲歩させる。因果....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
題にしよう。氏は方法を体系から峻別し、方法主義に対して体系主義ともいうべきものを
固持する。無論この体系は静止した体系でなくてはならぬから(開放的体系や動的体系は....
「古典竜頭蛇尾」より 著者:太宰治
わち、きっと悟り顔であること。われから惑乱している姿は、たえて無い。一方的観察を
固持して、死ぬるとも疑わぬ。真理追及の学徒ではなしに、つねに、達観したる師匠であ....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
旨く行かんと乃公の責任になるんだよ」 挙人老爺は大に窮したが、なお頑固に前説を
固持して贓品の追徴をしなければ、彼は即刻民政の職務を辞任すると言った。けれど少尉....
「性格としての空間」より 著者:戸坂潤
は理解にならないからして、それは無性格でなければならない。青銅のように自分の形を
固持する形式ではなくして封蝋のように空しい質料が夫である。それはもとより判断とし....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
るが、彼はこれに言及するに当って、極めて率直に、自分はおそらく一度提出した意見を
固持しようという気持に無意識に支配されたかもしれぬ、と述べている。(訳註――この....
「地上」より 著者:島田清次郎
様」と礼儀と親愛をもって傅く裏に、絶えず「天野の代り」となって厳しい監視と干渉を
固持するのである。恐らく冬子が天野を愛しているように天野は冬子を愛するのであろう....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
きは、熱狂的にあちらへこちらへと帆を操る。そうでなかったなら――あの一定の方針を
固持する能力が彼女にあったら――彼女は没落していたであろう。彼女を包囲する諸勢力....
「ソクラテス」より 著者:新渡戸稲造
し、考えてみれば、私などの主張するところは、存外穏やかなものである。一つの主義に
固持して終世世に容《い》れられなかった人もあり、あるいはソクラテスの如く刑罰に処....