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固有
「固有〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
固有の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
、おそらく終世忘れることはできないであろう。
「すべての市《いち》は、その市に
固有なにおいを持っている。フロレンスのにおいは、イリスの白い花とほこりと靄と古《....
「或る女」より 著者:有島武郎
立った。何か芳醇《ほうじゅん》な酒のしみと葉巻煙草《シガー》とのにおいが、この男
固有の膚のにおいででもあるように強く葉子の鼻をかすめた。葉子は、どしんどしんと狭....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は創造から創造への連続といっていい。習性及び形態の保存に固着してカリバンのように
固有の生活にしがみ附こうとする生物を或る神秘な力が鞭ちつつ、分化から分化へと飛躍....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
するハーシェルの研究/太陽系の安定度についてラプラス及びラグランジュ ※ 恒星の
固有運動/ハレー、ブラドリー、ハーシェルの研究/カプタインの仕事/恒星の視差/ベ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
はその広漠たることヨーロッパに比すべく、これを貫流する二大水系によって分かたれた
固有の特質を備えている。揚子江と黄河はそれぞれ地中海とバルト海である。幾世紀の統....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
。気持ちのいい炉辺に坐りこみながら朝食を頼んで、人夫をついでに頼んだ。雪の世界に
固有な静けさといかにも落ちついた気分が、小綺麗な炉にも黒ずんだ柱にも認められる。....
「のろのろ砲弾の驚異」より 著者:海野十三
すか」 「くわしいことは、ちょっといえないが、軍艦でも人間でも、目標物には特殊な
固有振動数というものがあって、これは皆違っている。最初にそれを測っておいて、それ....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
ある。そんな真似をすれば、破壊のみあって建設はないことになる。で、われ等は霊媒の
固有の意見の中で、最も真実に近いものを捕え、できる丈|之を培養し、補修して、以て....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
御厚意を謝します、しかし今一度お考え直しを願いたいことは――もしあれ等がフランス
固有の唄も混ぜて唄うとしたらどうでしょう。日々にフランスの国風が頽廃して行くのは....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
にすぎなかつたのである。もしも映画が真に芸術であるならば、それは何よりもまず民族
固有のものとならなければならぬ。すなわち各々の民族は各々の映画を持たなければなら....
「小坂部伝説」より 著者:岡本綺堂
にして未だ見あたらない。日本の怪談は九尾の狐ばかりでなく、大抵は三国伝来で、日本
固有のものは少ないのであるから、これも何か支那の小説か伝説がわが国に移植されたも....
「妖怪学」より 著者:井上円了
いは徳川氏の代にこれを行いたること、古老の伝うるところなりというものありて、本邦
固有の法なるがごとく考うるものあれども、すでにして余、先年豆州に遊び、この怪事は....
「迷信解」より 著者:井上円了
ることができる。ゆえに、狐狸は妖怪中の巨魁とみてよろしい。されどその妖怪は、日本
固有のものにあらずして、シナより輸入したるものである。ただし、シナの正しき書物の....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
派に異なるは、その一派の仏教の一派と異なるよりはなはだし。かつ欧米各国みなその国
固有のヤソ教ありて、宗教を論ずるもの、決してわが国のごとく、ロシアのヤソ教もフラ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
面西洋覇道文明の影響甚だしく、今日の日本知識人は西洋人以上に功利主義に趨り、日本
固有の道徳を放棄し、しかも西洋の社会道徳の体得すらも無く道徳的に最も危険なる状態....