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「国の母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

国の母の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
沈丁花」より 著者:宮本百合子
した。弟が夕方、多分学校へ出る途中であろう、 「姉さんがこれを……」 と云って、国の母の手づくりのかき餅、糟《ぬか》づけの瓜など届けて呉れることがあった。千鶴子....
道標」より 著者:宮本百合子
女の胸に生れた苦しい混乱した思いをてりかえして。 伸子は、伸子の病気に対する故国の母親の心配ぶりをきょう思いがけない形でうけとったのだった。外国に駐在する大使....
樹蔭雑記」より 著者:宮本百合子
居る藁の掛布、机、ランプスタンド、其等は、今彼女の手にふれる総ての書籍が、遠い故国の母の手元から送られたものであると同様の有難さをもって、彼の手に作られたもので....
別れたる妻に送る手紙」より 著者:近松秋江
なかったものだ。またその頃はお前の知っている通り、別段に変ったことさえなければ、国の母や兄とは、近年ほんの一月に一度か、二月に三度ぐらいしか手紙の往復をしなかっ....
源氏物語」より 著者:紫式部
ましたが、皆神仏のお容れになることになり、あなたは幸福な人になられました。姫君が国の母の御位をお占めになった暁には住吉の神をはじめとして仏様への願果たしをなさる....
農村」より 著者:宮本百合子
他愛もない声を出して笑う。 「そうそう、私《わし》がお暇いただく三日ほど前にお国の母様《かかさま》が、東京さあ嫁《かた》づいて居なさる上の娘さんげから送ってよ....
生あらば」より 著者:豊島与志雄
は気にかけないがいい。……然し、もし出来たら返してくれ、実は書物が出来る時一緒に国の母に送ろうと思っていた金なんだから。」 川部は妙に悲しそうに眼を伏せた。 ....
殺意(ストリップショウ)」より 著者:三好十郎
がなくなれば水だけで三日位は動かずにいる それでも、どうしようと言う気は起きない国の母には既に金はなく しばらく前から私の方から暮しの金を送ってやっていた 今は....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
場で美しい芝居を見物して、こんな愉快なことはありません。この事を詳しく書いて、英国の母や友人のところへ知らせてやりました。」 この引幕と書面に対する守田勘弥の....
食道楽」より 著者:村井弦斎
あるから格別の味が致します」妹「どう致しまして誠に不出来でお恥しゅうございます。国の母がおりますとモット美味しく拵《こしら》えますけれども」ととかく返事が横に外....
私本太平記」より 著者:吉川英治
通わせていたのである。 「……オ、覚一か。もそっと、こちらへお入り。して、なんぞ国の母者へ、ことづてでもして欲しいのか」 又太郎は六波羅に滞留中、この覚一から....
童子」より 著者:室生犀星
を二枚撮った。夏がおもちゃを持って踊って見せると、にっと微笑ったところを写した。国の母親と妻のさとへ一枚ずつ送った。国の母親はそれを毎日抱いて寝ていると書いてよ....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
に出かけてやれ』 そう決めるとかえって心ははればれとしてきた。おあつらえ向きに国の母から二円の金が届いたばかりでもある。多少店には悪いと思ったが、私はそのまま....