国家老[語句情報] » 国家老

「国家老〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

国家老の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
きに計らうべきだが、藤井も安井も算勘《さんかん》の吏で、時務ということを知らん。国家老の大石でもおれば、こんなばかなことをすまいが。浅野は、今度の役で評判を悪く....
趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
が、――飛んだ故障が出来たじゃ」 「へええ」そう来なくってはと思う。 「その頃|国家老《くにがろう》にやはり才三くらいな年恰好《としかっこう》なせがれが有って、....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
が、御当家でお羽振の宜いお方は何というお方だね」 權「私ア其様な事は知んねえ、お国家老の福原數馬様、寺島兵庫様、お側御用|神原五郎治様とかいう奴があるよ」 大「....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
、毎年馬市を機会に諸流の剣客の集まって来たころの町でもない。まして、木曾から出た国家老として、名君の聞こえの高い山村|蘇門(良由)が十数年も尾張藩の政事にあずか....
寺坂吉右衛門の逃亡」より 著者:直木三十五
そうってんだから、こいつが、先ず、忠義の大将だね」 「大将は誰だ」 「大石って、国家老だってことだ」 「ふうん、どっしりして、大将みたいな名だのう。四十七人って....
煩悩秘文書」より 著者:林不忘
こ》の六法。美々しい行列が、鳥居をさして練って行くのだが――。 御代参である。国家老が殿のかわりに、参詣するので――と言うのは、その太守の駕籠の中にはいってい....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
て変なのが、やや育ってからも変なため、それを気にして気が狂った、御新造は、以前、国家老の娘とか、それは美しい人であったと言う…… ある秋の半ば、夕より、大雷雨....
丹下左膳」より 著者:林不忘
喚《わめ》きたてると、暗くて見えなかったが、左右の廊下にいながれていたお側用人、国家老をはじめ室内の小姓まで、音ひとつたてず消えるようにひきとって行く。 与吉....
奥の海」より 著者:久生十蘭
石の内証分で、殿様は七年前から御定府、家老と大番頭がいるが、藩政の大事は、本家の国家老の裁可を得て執行する慣例になっている。 川村は本家から派遣されている密事....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
なくても結構。……それはともかく、下総の古河といえば、江戸の東のかため、そこのお国家老《くにがろう》ということになれば、なにかと御用多なこッてしょう。いや、お察....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
造寺主計は、庄内《しょうない》十四万石、酒井左衞門尉《さかいさえもんのじょう》の国家老《くにがろう》、龍造寺|兵庫介《ひょうごのすけ》の長子である。長子だが、年....
軽女」より 著者:上村松園
どのように悦んだことであろう。しかし、それも束の間で、いよいよ明日は、 「岡山の国家老池田玄蕃殿のお招きにより岡山へ参る」 と、いう内蔵助のいつわりの言葉をき....
白い道」より 著者:徳永直
いる板の間へ、高坂が、扇子をパチッ、パチッと鳴らせながらでてきた。むかし細川藩の国家老とか何とかいう家柄をじまんにして、高い背に黄麻の単衣をきちんときている。椅....
私本太平記」より 著者:吉川英治
しておる者か」 「申しおくれました。――足利ノ庄の国元にいて、久しく留守の家職(国家老)を勤めおりまする高ノ武蔵守師直と申すもの。以後、お見知りおき下されましょ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
!」 左右の士はなおいぶかった。 「ご存知の者ですか」 「知らいでか。足利家の国家老、高ノ師直という男だ。……あの師直めが、さて何しに?」 先廻りしてここに....