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国富
「国富〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
国富の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
》でくくった浅草紙や、手ぬぐいの截らないのが、雑然として取乱された中で、平塚君や
国富君や清水君が、黒板へ、罹災民の数やら塩せんべいの数やらを書いてせっせと引いた....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
彼のその国権を重んずるゆえんを説き、あるいは鉄道、電信等の事を挙げ経済上彼のその
国富を増す理由を説き、もって当務者および有志者に報告したり。 ここにおいて一方....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
人穴は非常に深かったものと見えて、東鑑にこう書いてある。 「将軍家(源頼家)駿河
国富士の狩倉に渡御す。彼の山麓にまた大谷あり、之を人穴と名づく、其所を究見せしめ....
「蟹工船」より 著者:小林多喜二
は」とか、普段云ったことのない言葉を出したり、又|何時もの「日本男児」だとか、「
国富」だとか云い出した。大部分は聞いていなかった。こめかみと顎の骨を動かしながら....
「科学論」より 著者:戸坂潤
を告げずして此等人士の利益を告げ、以て此等の人士より其供給を受くるなり」云々(『
国富論』――岩波文庫版、上巻、二四―二六頁)。 即ちスミスによれば、社会に於け....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
解し再結合(この点では総合と呼ばれる)する操作である。社会科学ではA・スミスの『
国富論』、リカードの Principles of political econo....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
加重するが如き懸念は、むしろ為政者の工夫により是正せらるべきものと信ずる。我国の
国富の増加は近年著大であり、又日満不可分関係の確立せらるる限り国策遂行のため必要....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
レコード五億二百十二万円よりも三千万円ほど多いが、当時に較べて今日は、国民所得と
国富の増加、国民生活の向上、等によって国民負担はズット減っているし、それに当時に....
「大震火災記」より 著者:鈴木三重吉
害です。単に物質だけの百一億円の損害でも、日露戦争の費用の五倍以上にあたり、全|
国富の十分の一を失ったわけです。われわれはおたがいに協同努力して一日も早くこの大....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の糧を貯ふると共に、国に三年の糧を捧ぐることを本意と心得べきなり。百姓大腹なれば
国富みて兵強く、百姓空腹ならば国貧にして兵弱し。つとめざる可《べ》けんや」 ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
は、滝太郎がこの苔に就いて、いまだかつて何等の知識もないことに考え到って、越中の
国富山の一箇所で、しかも薄暗い処でなければ産しない、それだけ目に着きやすからぬ不....
「純粋経済学要論」より 著者:手塚寿郎
すのは、広汎に過ぎる定義であろう。 三 アダム・スミスは、一七七六年に公にした
国富論において、初めて経済学の材料を結合して統一体となすのに成功した。ところでス....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
外視して、国家的な仕事――戦時に於ける兵士と同じ気持を持ちまして、開墾に従事し、
国富を豊かにしなければならない、こう愚考するものであります。」(某氏就任の辞) ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
力を扶植する所以であるから、商売の種類は何であろうとも関わぬ、海外の金儲けは即ち
国富の膨脹、国権の伸長、国威の宣揚である。極端な例を挙げれば、醜業婦の渡航を国辱....
「西航日録」より 著者:井上円了
あらざるべし。よって余は、 喚鐘声裏往来忙、士女如花満会堂、日曜朝昏修養力、能教
国富又兵強。 (鐘の音のひびくなかで人の往来することせわしなく、紳士も叔女も花の....