国柄[語句情報] » 国柄

「国柄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

国柄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
たが、こちらへ来てはじめてイチロのことが判ったような気がします。彼はやっぱりこの国柄を背景に持った芸術家です。 「お世辞でなく、彼は私などよりよい素質を持って生....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
りして、一種の学風おこりて、今の世に蘭学と称するもの、則ちそれでござる。元来その国柄と見えて、物の理を考へ究むること甚だ賢く、仍ては発明の説も少なからず。天文地....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ん、今の君の話さ。ひどい血を流さずに復古を迎えられたという話さ。そこがわれわれの国柄をあらわしていやしませんか。なかなか外国じゃ、こうは行くまいと思う。」 「そ....
火葬国風景」より 著者:海野十三
判りがするじゃろう」と一宮大将は傍らを向いて「どうじゃな鼠谷君。一つ君から、この国柄を説明してやって呉れぬか。なにしろ君が一番よく知っているでのう」 「はア、じ....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
或は女になったりするとのことでございます。日本と申す国は古来尚武の気性に富んだお国柄である為め、武芸、偵察、戦争の駈引等にすぐれた、つまり男性的の天狗さんは殆ん....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
ものどもよ、巫山戯たことをするなよ、この日本の国は天地の神々によって固められた御国柄であるぞ、というので、強い調子で感奮して作っている歌である。併し、「戯わざな....
猫の草紙」より 著者:楠山正雄
ん。それとは違って、猫はもと天竺の虎の子孫でございますが、日本は、小さなやさしい国柄ですから、この国に住みつくといっしょに、このとおり小さなやさしい獣になったの....
淪落の青春」より 著者:坂口安吾
かえ、これがみんな彼の持ち山なのである。 彼の県内にも戦災都市があり、冬は寒い国柄であるから、建築用材、木炭、薪、需要は大いにある。けれどもこんな山奥からでは....
落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
は十二の年に村へ渡ってきた獅子舞いの一行に加えてもらって江戸へ行った。越後獅子の国柄で、獅子舞いは一向に珍しくはなかったが、その年の一行には唐渡り秘伝皿まわしと....
学校教育における図書館の利用」より 著者:佐野友三郎
一 「学校の教育は如何に完備し充実すとも、米国のごとき国柄に在りて民衆の需要を充たすに足るべしとは想われず。されば在学中も、卒業後も、....
デンマークのビール」より 著者:北大路魯山人
イギリスは食べ物のまずい国とされていましたが、聞くと見るとでは大違い。さすが古い国柄だけあって、アメリカなどとは比較にならないくらい格式があり、なにかにつけて行....
融和問題に関する歴史的考察」より 著者:喜田貞吉
かった思想で、おそらくわが仏教徒の新発明でありましょう。わが国はもと肉食を嫌わぬ国柄でありました。恐れ多くもわが皇室の御先祖として仰ぎ奉る彦火火出見尊は、御自身....
味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
た芸術となることは、むしろ当然と言わねばならぬ。 日本は元来、そういう恵まれた国柄であり、従って、内容的に美において根本からすぐれている。アメリカの杉がいかに....
新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
世界にその比を見ない程あらゆる点でその趣味生活を深めるに好都合の時代であり、また国柄であり、また、国民性であった。 この最後の国民性、わが邦民族の趣味のその不....
春の大方山」より 著者:木暮理太郎
に行われた土地であることを、頬白の鳴声が知らせているのも面白い。三俣や茶などもお国柄だけあって諸所に植えてある、茶には冬季の寒さが強すぎたかして、上葉が大分枯れ....