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国禁
「国禁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
国禁の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「島原の乱」より 著者:菊池寛
間九十年近い歳月がある。この長い年月に亙っての、宣教師を始めとした熱烈な伝道は、
国禁を忍んで秘かに帰依する幾多の信徒をつくった。当時海外折衝の要地であった長崎港....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
のまんま無残絵になってしまったのはヤハリ天命というものだったろう。 ……柳仙が
国禁の絵を描いている事はトックの昔から睨んでいた。しかしイクラ忠告をしても止めな....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
う。鉄は金銀と異なり、わずかな分量では利得にならぬと聞いたが、頃日《このごろ》米
国禁鉄となってから、一粒の鉄砂も麁末《そまつ》にならぬような話を承る、ふとした事....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
えてキリシタンバテレンの正体を確かにつき留めているわけでもない。 だが、たとえ
国禁なりといえ、この船の中に限って、この不具少年がひとり信仰している分には、歯牙....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
のである。彼は生れつき軽率に思いこみ、軽率に感動し、軽率に口走るヘキがある。剣術
国禁で貧乏のドン底にある玄斎をおだててみたって、鼻血もでやしない。 「ねえ、三人....
「稚子法師」より 著者:国枝史郎
殆ど言語に絶したもので、征矢野孫兵衛、村上右門、知遇を受けた此両人などは、当時の
国禁を窃に破って追腹を切った程である。 で、私の物語ろうとする『稚子法師』の怪....
「鴉片を喫む美少年」より 著者:国枝史郎
国のやり口の方が、遥かにもっとよくないのだ。 何しろ今度の戦争の原因が、清国の
国禁を英国商人が破り、広東で数万函の鴉片を輸入し――しかも堂々たる密輸入をしたの....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
禁教しても新教国のオランダと宗教ぬきで貿易できる見究めがハッキリしてのち切支丹を
国禁した。新教国と宗教ぬきで貿易できる見究めが立たなければ、にわかに切支丹を
国禁....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
附会したもの。山に海に白旗なびき、の海の方は当時続々来朝しはじめて、やがて通商を
国禁されたマニラやマカオ等からの救援の外国船を指すのであろう。 これをたった一....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
からね。二千や三千の金なら、何時でも耳が揃えられるんです」 「外国渡航に就ては、
国禁も有り、吉田松陰の失敗もあり、併し追々は渡行出来ようで、是非一度は外国に渡り....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
がおありとみえる」 痛いところを罵った。 いかにも、阿波以外の領土で、阿波の
国禁を無碍にふりかざすのは暴の限りである。 けれど、もとより、その暴と権力が、....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ドカと混み入って、潮除けの蔀をめぐらした胴の間へ埋まった。 阿波には他領者の入
国禁制がかなりきびしく行われているが、やはりそこを郷土としている者、是非の用務が....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
のであった。浦上──その名はキリシタン殉教の聖地として世界中に知れ渡っている。鎖
国禁教令しかれて以来この村に血を流した殉教者の数はおびただしい。中にも竹中奉行に....
「大岡越前」より 著者:吉川英治
なども、ひそかに、諸所の島へ貯え出した。 利に飽くと、人間は、名と地位である。
国禁の密貿易では、白昼、晴れて金費いもできず、祇園、島原で大尽遊びも、すぐ足がつ....