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「国籍〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

国籍の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
住んでいた頃である。僕はもうあの頃から支那人にだけはなりすましていた。元来天下に国籍くらい、面倒臭いお荷物はない。ただ支那と云う国籍だけはほとんど有無《うむ》を....
片恋」より 著者:芥川竜之介
その癖、お徳はその男の名前も知らなければ、居所《いどころ》も知らない。それ所か、国籍さえわからないんだ。女房持か、独り者か――そんな事は勿論、尋《き》くだけ、野....
私の父と母」より 著者:有島武郎
の江戸留守居役で、母は九州の血を持った人であった。その間に生まれた母であるから、国籍は北にあっても、南方の血が多かった。維新の際南部藩が朝敵にまわったため、母は....
軍用鮫」より 著者:海野十三
七十隻を撃滅したではないか。まずその恐るべき、偉大な効果を語らずして、その軍船の国籍を論ずるなんて、きゃつも科学のわからんやつじゃ」 そういって博士は、科学者....
耽溺」より 著者:岩野泡鳴
の余り乗り試み、墜落負傷して一生の片輪になったのもある。そして、レオナドその人は国籍もなく一定の住所もなく、きのうは味方、きょうは敵国のため、ただ労働神聖の主義....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
れは、すこしばかり儲け仕事をした女にすぎない。無論中国人ではなく、われわれと同じ国籍をもっているんだよ。事件の中に若い女が一人とびだすと、すぐその女が主人公にな....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
リ。而シテ驚クベキコトハ、彼等ノ中ニハ西洋人多ク混ジ居ルヲ認メタリ。其時ハ何処ノ国籍ニ属スルヤ全ク不明ナリシガ只今マデ数日間観察セルトコロニヨレバ○国人ナルモノ....
地球盗難」より 著者:海野十三
腕前に三歎するより外なかった。 「……すると、沖についた白い汽船は、どこの船だか国籍が分らなかったというのだネ。碧眼の船長は何を君たちに頼んだのか、それを思い出....
暗号音盤事件」より 著者:海野十三
間は別に中国人やベトナム人を装う必要なく、わたし達は、日本人だぞと大ぴらに本国の国籍を表明していて一向さしつかえないのであった。私は、久方振りのこうした安楽した....
火薬船」より 著者:海野十三
った。 それは外でもない。この切迫した世界情勢の下において、香港の南方を、変な国籍の船が火薬を満載して、うろうろしているなんて、どうもただ事ではないとおもった....
大空魔艦」より 著者:海野十三
だがお前も知ってのとおり、このごろ北極に近い地方に、恐ろしい大型の飛行機をもった国籍不明の団体が集っていて、なにかしきりに高級な研究をやっているという情報が入っ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
だ日本人スパイがはいりこんだのだな」 「そんな筈はないよ。ここで働いている奴は、国籍を厳重に洗ってある筈だ。――それにしても変だね。おお、誰か早くいって、団長閣....
眉の記」より 著者:上村松園
どこで終るのかと心配になるほど髪の生えぎわまでものばしている描き眉にいたっては、国籍をさえ疑いたくなるのである。そのようにして自分の顔の調和をこわさなくてはなら....
映画と民族性」より 著者:伊丹万作
を忘れて国際性を第一義とし、輸出を目的とした場合、それはたちまちハマモノに転落し国籍不明の混血児ができあがるのである。「新しき土」はその悲惨なる一例である。この....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
所、コーヒー製造場、糖酒製造場、医院を一覧し、さらに日本移民の居宅を慰問す。その国籍は山口県、高知県、和歌山県なり。コーヒー園は丘陵の高地にありて、遠望すれば茶....