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国粋
「国粋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
国粋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
の客の一人、――「な」の字さんと言う(これは国木田独歩《くにきだどっぽ》の使った
国粋的《こくすいてき》省略法に従ったのです。)薬種問屋《やくしゅどいや》の若主人....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
や卵なども反動的思想を持っていたのであろう、事によると尻押《しりお》しをしたのは
国粋会《こくすいかい》かも知れないと云った。それから某宗《ぼうしゅう》の管長某師....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
似て居ると云って、大層喜んでいました。 この時の知事は籠手田さんでした。熱心な
国粋保存家と云う事でした。ゆったりした御大名のような方で、撃剣が御上手でした。こ....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
言うべし。 この紛々たる時に至りて一の新論派は出でたり、すなわち国民論派または
国粋論派または日本論派と称すべきものこれなり、この論派は実に当時の流勢に逆らい、....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
の正確にして深き技法の修練の上に建てなければ油絵という技法は萎びて行くであろう。
国粋とか、日本的とか、国民性とかいうべきものは油絵として確かな組織の上に現れる処....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
った。しかし結論から言えば、陳獨秀が雑誌「新青年」を発行して羅馬字を提唱したので
国粋が亡びて考えようが無くなったんだ。そこでわたしの最後の手段はある同郷生に頼ん....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ラシックで、この節毎日のように遣っている粉食はロマンチックだ。いいかね。米の飯は
国粋かね。先ず固有なもので、メリケン粉の蒸パンは外来的のものだ。少し当らぬところ....
「明治の戦争文学」より 著者:黒島伝治
、なお日清戦争後には、高山樗牛の日本主義の主張が起り、日露戦争後には、岩野泡鳴の
国粋主義の主張が起ったことも、一九三二年のファッショの発展と照合して、(勿論その....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
かも知れんが、全然ダメなのは日本犬である。日本人は外国のことを知らずに一人ぎめの
国粋主義者が多いから、日本犬というものを大そう買いかぶっているけれども、日本犬と....
「ニッポン音楽」より 著者:兼常清佐
ょうか。 昔の老人は洋服を着て歩く人を見ると石を投げ付けたものだそうです。今の
国粋主義の老人諸君も私のこの話を聞いたらやはり石を投げ付けるでしょうか。....
「無表情の表情」より 著者:上村松園
しがたい高い芸術的な匂いが含蓄されてあると思います。こういう点で能楽こそは、真の
国粋を誇りうる芸術だといえましょう。 ◇ 私は、その名人芸を見る度毎....
「四十年前」より 著者:内田魯庵
い文芸美術の勃興は当時の欧化熱に負う処があった。 井侯以後、羹に懲りて膾を吹く
国粋主義は代る代るに武士道や報徳講や祖先崇拝や神社崇敬を復興鼓吹した。が、半分化....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
これも明らかに――スペインを! そのようにして、エセックスはエリザベス朝の新しい
国粋派の中心人物になってしまったのである。宗教的でも政治的でもない。一種の
国粋主....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
りに国境を見て来たんだからね。少々は変になるだろう。」 「だが、A博士はなかなか
国粋党だね。」 「あれでね。まあいいさ。日本精神への復帰ということだろうから。僕....
「新古細句銀座通」より 著者:岸田劉生
もの一切、今後ます/\古き日本、封建時代の日本を離れて行かねばならない。姑息なる
国粋論者はよく、近来の漢法薬の復興をもって、東洋医学の権威を主張しようとするが、....